TNF遺伝子導入による腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の抗腫瘍効果増強
Project/Area Number |
03152108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
新津 洋司郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 直樹 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10158644)
高後 裕 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10133183)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1991: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | TIL / TNFーα / Tumorーinfiltrating lymhocytes(TIL) / Tumor necrosis factor gene(TNF gene) / Gene transtection / Retroviral vector |
Research Abstract |
我々は癌患者胸腹水由来のリンパ球(以下腫瘍浸潤リンパ球:TIL)へhuman TNF発現ベクタ-(pcDVーTNF)をまずリポフェクション法にて遺伝子導入しその発現を検討したところ対照に比べ有意に高いTNFの発現を認めた。本法にてTNF遺伝子を導入したTILの細胞障害活性を検討したところK562細胞、自己腫瘍細胞に対する障害活性が対照に比べ強く増強されていた。このTNF遺伝子導入による細胞障害活性増強作用の機序を解析する目的で新たにTNF cDNAを組み込んだレトロウイルスベクタ-pLJーTNFを作製、パッケ-ジング細胞へリン酸カルシウム法で遺伝子導入した。また同時にneomycine耐性遺伝子(neo^R)を導入したクロ-ンを作製した。これらの培養上清を用いTILへTNF遺伝子を遺伝子導入し安定形質転換細胞を作製し、neo^R導入細胞と比較検討した。 レトロウイルスベクタ-によりTNF遺伝子導入したTILはneo^R導入TILに比べ高濃度のTNFを産生しK562細胞に対する細胞障害活性は対照に比べ約5倍に増強された。この作用はアッセイ時に抗ヒトTNFモノクロ-ナル抗体の添加により抑制されなかった。またK562と同程度のTNF感受性を有するDaudi細胞ではこの細胞障害活性増強効果は認められなかった。細胞障害活性増強機構を解析する目的で細胞接着分子をFlowcytometryにより解析したところTNF遺伝子導入TILではLFAー1の発現が対照に比べ著明に増強され、CD2の発現増強も認められた。TNFにより発現が増強すると報告されているILー2receptor(ILー2R)はα鎖の発現増強を認めたがβ鎖に明かな変化を認めなかった。また細胞障害物質として近年報告されている膜型TNFの検出も試みたが明かではなかった。 以上のことからTNF遺伝子導入によるTILの抗腫瘍活性の増強はTIL自身の細胞接着分子発現の増加とTILが産生するTNFによる腫瘍細胞表面の抗原発現増加による機序が示唆され、TNF遺伝子導入は癌免疫療法の効果増強に有用であると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)