癌拒絶におけるキラ-T細胞特異的遊走因子の関与とその分子生物学的研究
Project/Area Number |
03152109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上出 利光 北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (00160185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 明 札幌医科大学, 教授 (30076947)
落合 滋子 北海道大学, 免疫科学研究所, 助教授 (20001878)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥8,400,000 (Direct Cost: ¥8,400,000)
Fiscal Year 1991: ¥8,400,000 (Direct Cost: ¥8,400,000)
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Keywords | リンパ球遊走因子 / CD8陽性T細胞 / 接着分子 / 血管内皮 / R2ー1A6抗原 |
Research Abstract |
A)血管内皮細胞の機能変換とR2ー1A6抗原の発現: i)in vivoでの証明:同系腫瘍Tー9を腫瘍感作ラットに接種すると強いTリンパ球の浸潤が認められ、このTリンパ球浸潤は2種類のTリンパ球遊走因子(LMF)により調節されていることを明らかにしてきた。注目すべきは,LMFが生産されかつリンパ球浸潤が見られる組織の腫瘍内細静脈血管内皮にR2ー1A6抗原が発現する事である。R2ー1A6は(1)正常では末梢リンパ節のリンパ球再循環を司る高円柱上皮に発現している。(2)実験的に慢性肉芽腫を作成すると、炎症反応が認められる部位の細静脈血管内皮に発現される。(3)正常の大血管および炎症反応の乏しい皮下結合組織中の細静脈には全く発現されていない。(4)腫瘍に感作されていないラットにTー9を接種してもTリンパ球の浸潤は見られず血管内皮にも抗原の発現はない。 ii)in vitroでの証明:ラット由来の種々の血管内皮細胞株を樹立し、R2ー1A6抗原との反応性を検討すると、大静脈由来血管内皮等の正常リンパ球と結合能力のない静脈由来血管内皮にはR2ー1A6抗原の発現は見られない。リンパ球との強い結合を示す高円柱上皮細胞株にはR2ー1A6抗原の発現が著明であった。 B)腫瘍内Tリンパ球浸潤とR2ー1A6抗原: 生体内で実際に血管内皮に発現されるR2ー1A6抗原がTリンパ球の腫瘍内浸潤に関与しているかを検討する目的で腫瘍感作ラットにTー9を接種し同時にR2ー1A6抗体を投与し腫瘍拒絶に与える影響を検討した。腫瘍感作動物にTー9を接種すると強いTリンパ球浸潤が起こり腫瘍は完全に拒絶されるが、R2ー1A6抗体を投与すると腫瘍の拒絶が遅れることが明らかになった。したがってin vivoで血管内皮上のR2ー1A6がTリンパ球のrecruitmentに重要な作用をしていることが確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)