Project/Area Number |
03152120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中谷 一泰 昭和大学, 薬学部, 教授 (40053855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中条 茂男 昭和大学, 薬学部, 助教授 (50119236)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 細胞増殖 / タンパク質リン酸化 / 情報伝達 / 増殖制御 / カゼインキナ-ゼ2 / タンパク質リン酸化反応 / プロテインキナ-ゼ |
Research Abstract |
本研究では、細胞増殖制御の最も単純な情報伝達のリン酸化カスケ-ド機構を、カゼインキナ-ゼ2を中心として結び付けて分子レベルで明らかにすることを目的とする。本年度は、まずマウス繊維芽細胞腫Balb/c3T3細胞の細胞周期を同調させ、細胞周期の制御にカゼインキナ-ゼ2が関係しているかを調べた。活性の測定は細胞周期の各々の時間に於て、細胞の可溶性画分を調製し、基質は我々が開発したカゼインキナ-ゼ2に特異的な合成ペプチドを用いて行った。酵素量の変動は、カゼインキナ-ゼ2のβサブユニットに対する抗体を用いたイミュノブロットとゲル内リン酸化反応を用いて解析した。その結果、カゼインキナ-ゼ2活性はG1期からS期にかけて上昇し、S期を過ぎると活性は低下した。しかし細胞周期を通して細胞内の全カゼインキナ-ゼ2量には変化が認められなかった。またカゼインキナ-ゼ2活性に連動して、数種類の内在性タンパク質のリン酸化が変化したが、その内の一つは免疫学的手法によりヌクレオリンと同定された。またレ-ザ-蛍光顕微鏡により、カゼインキナ-ゼ2の存在部位を調べたところ、活性の上昇するS期にヌクレオリンの存在する核小体にカゼインキナ-ゼ2も局在していた。今後は、カゼインキナ-ゼ2の活性化が、ポリアミンの濃度変化によりなされるのか、cdc2によりリン酸化によりなされるのかを調べる予定である。また一方、癌細胞から正常細胞への分化誘導機構は細胞増殖制御機構と密接に関係している。そこで白血病細胞が、我々が開発した分化誘導剤であるVP16やブファリンにより分化誘導されるときのシグナルトランスダクションにタンパク質リン酸化反応が関与しているかを調べた。その結果、VP16やブファリンによる処理の初期に、MAPキナ-ゼ(Mitogenーactivated protein kinase)活性が一過性に上昇することを見いだした。今後はこのシグナルが分化誘導剤による細胞増殖制御のシグナルとなっているかどうか、およびMAPキナ-ゼによりリン酸化される下流の基質を検討する予定である。
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