上皮増殖因子受容体異常を指標とした膠細胞腫の新しい分子診断法の開発
Project/Area Number |
03152123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
上山 義人 東海大学, 医学部・病理学教室, 助教授 (30072408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 等 東海大学, 医学部・病理学教室, 助手 (20191273)
中村 雅登 東海大学, 医学部・病理学教室, 助手 (00164335)
玉置 憲一 東海大学, 医学部・病理学教室, 教授 (50055860)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | 神経膠腫 / 上皮増殖因子受容体 / RTーPCR / 遺伝子増幅 / 遺伝子再構成 |
Research Abstract |
本研究は通常の病理組織学的な検索では判定しにくい神経膠腫(膠細胞腫)の悪性度を、上皮増殖因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor,EGFR)の異常を分子生物学的に解析することによって判定する、新しい診断法開発を目的としている。我々はヒト脳腫瘍ヌ-ドマウス移植株20株についてEGFR遺伝子の異常をサザンブロット法で解析し、膠芽腫株3株で遺伝子増幅、再構成を認めた。このEGFR遺伝子の再構成様式は各細胞株でそれぞれ異なるものの、いずれも第2exonから第7exonの欠失を形で生じていた。このEGFR遺伝子欠失、再構成は悪性度の高い膠芽腫で好発しており、臨床病理学的に悪性度指標となりうることを示唆された。 このEGFR遺伝子の異常判定を診断に利用するためには、少量の臨床材料からも検出できるようにする必要がある。そこで、我々はEGFR遺伝子欠失部位をはさむ形でPCR用のプライマ-を第1exonと第8exon内に設計し、逆転写PCR(RTーPCR)を腫瘍材料細胞全RNAについて行った。その結果、腫瘍材料から精製したRNAをもとに、EGFR遺伝子の再構成を高感度に検出できる技術を確立した。現在までに、神経膠腫15例、髄膜腫7例、神経鞘腫2例、転移性脳腫瘍7例の31例の脳腫瘍材料について、このRTーPCRを用いたEGFR遺伝子の解析を行った。上記のEGFR遺伝子の欠失再構成は神経膠腫の一型である異型星状膠細胞腫3例においてのみ認められ、神経膠腫の悪性度と密接な関連が示唆されたが、尚、EGFR遺伝子の異常と腫瘍の組織型との関連についての考察は十分ではない。研究をさらに発展させ臨床診断に応用するために、EGFR遺伝子の構造異常を直接、神経膠腫細胞上に同定するためのin situ hybridization法の応用を検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
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