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¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 1991: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
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Research Abstract |
細胞がん化の特徴として細胞増殖の異常のほかに細胞形態の変化と細胞運動あるいは接着性の異常があり,とくに後ろ者の異常は細胞骨格系の異常と密接な関連がある。細胞骨格は微小管,中間径フイラメント,アクチンフィラメントの主要3線維の相互関連により構成されている。我々はこれら細胞骨格線維のうち最も解析の遅れていた中間径フィラメントについて,そのフィラメントの重合・脱重合を生理的条件下で行いうるin vitro系を確立し,その系を用いることによりその調節因子(Aキナ-ゼ,Cキナ-ゼ,Ca^<2+>ーカルモデュリンキナ-ゼ,cdc2キナ-ゼ)の同定及びそのリン酸化部位の解析を行ってきた。 今回の研究では,中間径フィラメント蛋白質の各リン酸化部位のリン酸化状態を特異的に識別して認識する抗体を作製し,それを用いることでリン酸化中間径フィラメント蛋白質の細胞レベルでの分布を検討した。以下得られた知見を箇条書きとした。 1).グリア細胞の中間径フィラメント蛋白質(GFAP)のThrー7,Serー8,Serー13,Serー34のリン酸化状態を認識する4種の抗体を作製した。 2).Serー8のリン酸化は,cdc2キナ-ゼがそのリン酸化反応を触媒し,他の細胞骨格線維と中間径フィラメントの相互連関を調節しているらしい知見を得た。 3).Thrー7,Serー13,Serー34のリン酸化を触媒するキナ-ゼの同定はできなかったが,細胞内で生じるこれら部位のリン酸化とフィラメントの断片化に重要な役割を果たしているという知見を得た。
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