造血器腫瘍の診断と予後判定に有用な新しい転座関連遺伝子
Project/Area Number |
03152154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
上田 龍三 愛知県がんセンター研究所, 化学療法部, 部長 (20142169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 利忠 愛知県がんセンター研究所, 免疫学部, 副所長兼部長 (00124529)
赤尾 幸博 愛知県がんセンター研究所, 化学療法部, 主任研究員 (00222505)
瀬戸 加大 愛知県がんセンター研究所, 化学療法部, 室長 (80154665)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1991: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 転座関連遺伝子 / 造血器腫瘍 / t(11;4)転座 / RCK遺伝子 / t(4;11)転座 / t(11;19)転座 / PRADI遺伝子 / 11q13(bclー1)遺伝子 |
Research Abstract |
造血器腫瘍は再発が多く、治癒の判定及び再発の予知・予防は臨床上の重安課題の一つである。転座関連遺伝子の解析は、基礎的には癌化機序解明に重要であり臨床的には腫瘍特異的な分子マ-カ-として、応用可能である。11q23,11q13(bclー1)を中心にして研究を進めた。 染色体11番q23領域は乳児白血病、二次性白血病をはじめ、リンパ系や骨髄系の広範な造血器腫瘍にも知られている。我々はt(11:14)転座を有する細胞株より、11q23領域に存在する染色体転座切断点の単離に成功し、この領域をRCK座位と命名した。本領域から転写されるRCK遺伝子のcDNAクロ-ンを得ており、7.5kbのmRNAを検出している。塩基配列より、本遺伝子は472アミノ酸からなるタンパク質をコ-ドし、蛋白翻役開始因子eIFー4Aと高い相同性を示す新しい遺伝子であった。 一方、t(4;11),T(11;19)に関しては、CD3遺伝子を含む約300kbのYACクロ-ンより、10種類のプロ-ブを作成し解析したところ、これらの転座切断点はRCK遺伝子及びCD3遺伝子とはサイズの異なるNot1断片に位置していた。又、これらの領域からは12kb及び11kbのmRNAを検出しており、これらとt(4;11)やt(11;19)転座白血病との相関につき解析を進めている。更に、転座切断点近傍のクロ-ンからgene walkingにより、新たなクロ-ンを得て、通常のサザン解析にて再構成を検出することが出来るプロ-ブが得られた。本プロ-ブと、RCKプロ-ブを用いることにより、11q23転座白血病の臨床診断の可能性が開かれた。 t(11;14)(q13;q32)転座に関しては、従来のbclー1遺伝子断片は、PRADー1遺伝子そのものである可能性を示唆する結果及び、マントル領域リンパ腫に加えて、骨髄腫の一部にPRADー1の関与している症例の存在が示唆され、臨床面での応用が期待された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)