Project/Area Number |
03201208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東原 紘道 東京大学, 地震研究所, 助教授 (10125891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伯野 元彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (10016321)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 耐震構造 / 制震構造 / 振動制御 / アクティブ制御 / 最適制御 / 模型実験 |
Research Abstract |
地震時の構造振動のアクティブ制御の名のもとに従来なされてきた研究は、主に数値計算であり、それらの多くは、制御系の本質的な制約条件であるアクチュエ-タの能力限界(パワ-の限界および作動時間の存在)を適切に扱っていない。本研究はこれらの要素の影響を詳細に検討することを目的として実施された。 この目的のために、一方ではこれらの制約条件を考慮して最適化をすることができる数学モデルを作成するとともに、これと並行して、比較的単純でしかもこれらの制約条件の影響を定量的に比較検討することができる物理的モデルを構築する必要がある。本研究の最終目標は両方のモデルの統合運用であるが、当面その第1段階として、今年度は数学モデルの作成と検証、および実験装置の開発を行った。 (1)数学理論の研究 基本的に操作量である入力電圧を新たに独立変数として導入した。これによりアクチュエ-タのパワ-制約は独立変数の区間制約条件として、作動時間の制約条件は新規の常微分方程式として表示される。既往の最適レギュレ-タ理論は区間制約を正確に考慮することはできない。そこで変分原理に立ち戻った定式化を行い、併せて最適化アルゴリズムの設計を行った。 (2)シミュレ-ションの実施 次にそこのアルゴリズムに基づいたシミュレ-ションを行い、このアルゴリズムの適合性について検討をくわえた。その結果、本アルゴリズムは開発目標である制約条件の処理を正確に実行しており、しかもこの方式による制御の効率が非常に高いことが明かとなった。 (3)実験装置の開発 比較的単純なしくみをもつ小型の制御系を次の手順で作成した。これは上記の制約条件を忠実に実現することができるものである。 1)山形鋼およびアルミサッシを用いて、軽量な剛体砕組みを作り、金属の直方体とこれを支える板ばねから成る振動子を作る。 2)ボイスコイル型リニアサ-ボモ-タを軸に小型アクチュエ-タを作る。 3)変位計・加速度計・増幅器およびAD変換回路から成る計測系を作る。 4)作成された物理モデル(振動系)・計測系・パソコン・アクチュエ-タ系)の作動試験を行う。今後はこれを地震研究所々有の振動台上に設置して、振動実験を行う予定である。
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