降下火砕物噴火及び火砕流噴火における弾道堆積物の到達範囲の推定
Project/Area Number |
03201228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鎌田 桂子 神戸大学, 理学部, 助手 (20192544)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1991: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 弾道堆積物 |
Research Abstract |
火山噴火の際、火口近傍に火口から直接多量に放出される弾道堆積物は質量が大きいことから破壊的な災害をもたらすと考えられる。弾道堆積物の到達範囲の推定は、噴出物に含まれる外来岩片の最大3個の平均粒径の水平変化により求められると考えられていたが、測定方法の確立が不十分であった。そこで堆積物の露出の良い大隅降下軽石堆積物および二上山ドンズルボ-火砕流堆積物について野外調査、文献資料に基づいて測定方法の検討を行い,弾道堆積物の到達範囲の推定の測定方法を確立を試みた。 火砕物についての測定方法は、国内、国外で大きく異なる。国内では1m^2内での最大10個の平均粒径を測定する方法(手法1)が多く、それに対し、国外では露頭内における最大3個を測定する方法(手法2)が多い。そこで上記の大隅降下軽石と二上山ドンズルボ-火砕流について、野外において手法1、2のそれぞれの方法で岩片の粒径測定を行ない、両者を比較した。その結果、手法1は粒径の水平変化を示すデ-タの精度としては優れていたが、弾道性堆積物の到達範囲を示すと考えられている水平変化の変曲点自体は存在が認められるものの読み取りは困難で、弾道堆積物の到達範囲を推定する方法としては不適切であることがわかった。一方、手法2は、デ-タはばらつくものの変曲点の読み取りは容易で、精度良く変曲点を求めることが出来た。また、手法1で1m^2と露頭の大きさを定めたのは、日本のような植生下では大露頭が少ないためであり、国内のみならず国外も含めて比較しようとする際にはこの条件は適切でない。逆に、手法2は個々のデ-タの精度は測定個数が少ないために、植生や露頭の出現頻度などの条件に左右される確率が低くデ-タのグロ-バルな比較には都合がよい。従って、火砕噴火における弾道堆積物の到達範囲を測定する方法としは、露頭内最大3個の岩片の平均粒径を測定する方法が最適であるとの結論を得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)