Project/Area Number |
03202205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 和生 東北大学, 理学部, 助教授 (20093536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤阪 進 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (10158719)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 環境変異原 / 活性酸素 / pZ189 / supF遺伝子 / マクサム・ギルバ-ト法 / トランスバ-ジョン / 8ーヒドロキシルグアニン |
Research Abstract |
活性酸素は、通常の代謝の結果生体に生じる他に、多くの環境変異原によって生成される。活性酸素は、近年多くの疾患、ガン、老化等の重要な原因であると考えられるようになった。本研究では、活性酸素を生成する変異原に一つである過酸化水素を用い、pZ189プラスミド上の存在するsupF遺伝子の突然変異のスペクトルを調べることで、活性酸素による突然変異の特異性を明らかにし、人間環境の保全のための基礎資料とすることを目的とした。pZ189を9mMの過酸化水素で処理し、SOS誘発した大腸菌に感染しその後supFの突然変異を調べたところ、5x10^<-6>の頻度で突然変異を観察した。この実験系での自然突然変異頻度は、10^<-7>である。独立に得られたsupF変異体80クロ-ンについて、マクサム・ギルバ-ト法で塩基配列変化を調べた。その結果、塩基置換が85%、欠失とフレ-ムシフトがそれぞれ7.5%であった。塩基置換の90%はトランスバ-ジョン型で、トランジション型は10%であった、アルキル化剤や紫外線のような変異原とは著しく異なった結果である。トランスバ-ジョン型の中で、G:C→T:AとG:C→C:Gの変化が全塩基置換の83%を占めていた。この結果は、過酸化水素のG:C塩基対への損傷が突然変異に重要な役割を果たしていることを示している。過酸化水素は、DNA塩基に種々の付加体をつくる。そのうち、グアニンの付加体、8ーヒドロキシルグアニンは、DNA復製の際に、Cと対合するほかにAとも高頻度に対合することが知られている。本研究の結果観察されたG:C→T:A変異は、従って、8ーヒドロキシルグアニンが原因損傷であることを示唆する。大腸菌mutM遺伝子産物は、8ーヒドロキシルグアニンを修復する酵素である。今後は、mutMその他のDNA修復欠損株を用い、活性酸素の突然変異の原因損傷を明らかにしてゆきたい。
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