Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
石炭の燃焼利用に伴って発生する硫黄化合物による酸性雨の発生源対策として,比較的産業基盤の脆弱な地域でも可能な,チオバチラス属またはスルフォロバス属細菌を用いた石炭脱硫技術を,(1)組換え体作成を通した微生物育種,および(2)野外での目的微生物検出に関する技術を開発することにより強化することを目的とした。 (1)Thiobacillus thiooxidans(チオバチラス チオオキシダンス)の形質転換には,RSF1010由来のモビライザ因子mobとpUCt8由来のマルチグロ-ニングサイトを持つよう構築したpMOB2020を用いた。トランスコンジュゲ-ション法により,T.thiooxidansの形質転換体は作成できたが,T.versutus(チオバチラス ベルスタス)では安定であったpMOB2020は,T.thiooxidansでは不安定であったため,ベクタ-の改良が必要であることが判明した。 (2)微生物検出,同定のために,染色体のDNA配列のランダムネス測定手法を新たに考案した。この手法の骨子は,PCR(ポリメレ-ス チェイン リアクション)法で用いるプライマ-に許容される不適合度を利用することにある。まず,塩基数10〜20のプライマ-について,ランダム状態での反応生成物が生ずる期待値を確率論的に計算した。次いで任意のプライマ-対を設定し,デ-タベ-スGeneBankにてシミュレ-ションした。そのシミュレ-ション結果より,5対のプライマ-対を選択し,それらを用い大腸菌,シュ-ドモナス属細菌,チオバチラス属細菌等の染色体DNA配列のランダムネス測定を行い,各バクテリアを特徴づけた。これらの結果より,たとえ野外であろうと目的微生物を検出,同定できる手法の基盤が形成できた。
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