水銀高感受性遺伝子を利用した低濃度水銀除去手法の開発
Project/Area Number |
03202219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
中原 英臣 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (10056997)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 水銀耐性菌 / 水銀高感受性菌 / 大腸菌 / プラスミド / トランスポゾン |
Research Abstract |
水銀に対する耐性を示す水銀耐性菌に関しては、疫学、遺伝学、生化学的な立場から、すでに多くの研究が報告されている。水銀耐性菌は2価の水銀イオンを還元して金属水銀にする水銀レダクタ-ゼを産生して、水銀レダクタ-ゼによって金属水銀を気化することで水銀耐性を示す。この水銀耐性遺伝子操作の手法を用いた遺伝解析によって、水銀耐性遺伝子はmerオペロンのオペレ-タ-・プロモ-タ-領域RNA合成を制御するinducer proteinの合成を支配するmerR、Hg^<2+>のとり込みを支配するmerT、そしてレダクタ-ゼの構造遺伝子のmerAの三つの部分から成立することが明らかにされている。この遺伝子のうちmerTのみをもっているKP245(pRR134)では感受性菌には認められないHg^<2+>の輸送機構のみをもち、水銀レダクタ-ゼの生成能がないために水銀を余計にとり込んでしまう分だけ水銀に対する感受性が高くなることが知られている。 本研究では、これらの人工的に得られた高感受性変異株に認められる水銀の細菌細胞への結合能力の増加を利用し、低濃度の水銀を含む産業排水等の処理を目的とした開発研究を行った。 水銀耐性遺伝子をもつプラスミドNR1をEcoRI制御酵素ヌクレア-ゼでプラスミドDNAを断片とし、水銀耐性遺伝子のある部分の断片であるEcoRIーHをプラスミドCo1E1にクロ-ン化して得られたKP245(pRR134)は、merT遺伝子の働きによってHg^<2+>に対して高感受性というべき感受性菌よりも高い感受性を示す。 そこで、遺伝子操作によって得られた水銀高感受性菌をKP245(pRR134)を前もって微量のHg^<2+>で誘導し、2μMの ^<203>Hg^<2+>を加えた普通ブイヨン中に保温させておくとほぼ100%の ^<203>Hg^<2+>が細胞と結合し培養液中から水銀が消失した。 今回、我々が行った実験の結果から、低濃度水銀の除去という当初の目的は高感受性菌が水銀に対する高い結合能を示し、普通ブイヨン中の2μMという低濃度のHg^<2+>をほぼ100%菌体内に取り込んだことから、実験的には完全にクリアしたものと思われる。今後の課題は、こうした実験結果をどのようにして工場廃水の処理や環境汚染の浄化に役立てていくかということになると考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
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