Project/Area Number |
03202238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
柳 哲雄 愛媛大学, 工学部, 教授 (70036490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武岡 英隆 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90116947)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 養殖場 / 自浄作用 / 硫化物 / 有機汚染 / 物質循環 / 数値生態モデル |
Research Abstract |
近年の魚類養殖による海洋汚染に対する対策としてまず最も重要なことは、適正な漁場環境の基準とそれを達成できる適正養殖規模を明らかにすることである。本研究では、漁場環境の適正基準についての基本的考え方を設定し、これを達成するための養殖の適正規模(適正放養量)の決定方法を明らかにした。この考え方は、養殖によて放出される残餌や糞によって汚染される海底の物質循環を焦点としたもので、残餌や糞の増加が海底の酸素消費速度を増加させるような範囲内での養殖を適正とするものである。これを越える有機物負荷は、海底に貧酸素化を招き嫌気的分解による硫化物の生成などの環境の悪化を引き起こすことになる。この状態では酸素消費速度は低下する。従って海底の酸素消費速度が最大となる状態の範囲内に養殖を抑えることが適正な養殖の基準ということになる。 以上の考え方を宇和島市遊子のハマチ養殖場において適用し、適正放養量を計算した。まず同養殖場において底質を採取し、底質の酸素消費速度と硫化物含有量を測定した。この結果から、硫化物含有量が0.07mgS/gにおいて酸素消費速度が最大となることが明かとなった。次に、既に作成済みのハマチ養殖場の物質循環モデルを用いて、過去からの養殖放養量の変遷に対する海底への有機物負荷量の変遷を計算した。この結果を底質の硫化物量の変遷と比較した結果、養殖放養量と硫化物量はほぼ比例することが明かとなった。このことから、硫化物量0.07mgS/gを達成するためには、放養量を現状の3割程度削減する必要があることが示された。
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