アルキル化変異原処理によるマウス生殖細胞のDNA損傷とその修復
Project/Area Number |
03202250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
井上 雅雄 金沢医科大学, 総合医学研究所, 講師 (60064565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 孝行 金沢医科大学, 総合医学研究所, 講師 (20064595)
宮越 稔 金沢医科大学, 総合医学研究所, 助手 (90200146)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | エチルニトロソウレア / 遺伝毒性 / マウス生殖細胞 / DNA修復 |
Research Abstract |
本年度は、アルキル化変異原のうち雄マウスの精原細胞に高率に突然変異を誘発することで知られているエチルニトロソウレア(ENU)に焦点をしぼった。 雄マウスにENU100mg/kg処理後、液体クロマトグラフィ-で検出した生殖細胞DNA中のエチル化塩基は、N7‐エチルグアニン(N7‐EG)、06‐エチルグアニン(06‐EG)及びN3‐エチルアデニン(N3‐EA)であった。ENU投与4時間後における誘発生成量は、mgDNA量当たりN7‐EGが約13pmol、06‐EGが約7pmol、N3‐EAは3pmolであった。24時間後においては3種のエチル化塩基とも処理直後の約1/2に減少していた。一方、オ-トラジオグラフィ-で検出した不定期DNA合成(UDS)は、前期精原細胞から前期精子細胞にかけて誘発され、後期精子細胞から精子にかけては誘発されなかった。また、ENU処理直後、Labeling Indexで検出した精原細胞のDNA合成はENUの投与量に比例して増加し、250mg/kgでは、A型精原細胞において無処理の約4倍も誘発された。 これらの結果をまとめると、ENUはマウス精子形成期における精原細胞のDNAに損傷(少なくともエチル化塩基)を与える。ところが、精原細胞はその損傷を除去し、修復合成(UDS)を行う能力を有している。しかし、ENUは精原細胞のDNA複製も同時に誘発する。この結果、DNA損傷を持ったままS期に至る精原細胞が増加し、遺伝子変異を有する娘細胞がさらに多く誘発されることが想像される。 今後、これらの細胞由来の配隅子でさらに検討し、今年度検出した3種の塩基以外の損傷も定量する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)