超臨界圧流体中の微細構造体からの非定常熱伝達と伝熱制御に関する研究
Project/Area Number |
03203206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
相原 利雄 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90006172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 柱均 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (00214859)
小原 拓 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (40211833)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 伝熱制御 / 超臨界圧流体 / 擬臨界温度 / 非定常熱伝達特性 / 圧力・温度依存性 |
Research Abstract |
本研究において、超臨界圧伝熱実験装置を新たに考案・設計・製作した。これは作動流体の圧力調整部、伝熱実験を行う高圧テストチャンバ、恒温油槽並びに計測システムの制御系で構成される。この装置を用いた第一段階の実験として、超臨界圧のCO_2中における白金細線からの定常自由対流熱伝達について計測を行ない、以下の結果を得た。 (1)加熱細線温度と作動流体のバルク温度との間に(擬)臨界点が存在するときは、臨界点近傍での比熱、プラントル数等の物性値の著しい変化により、自由対流熱伝達が最大7倍まで促進される。 (2)この自由対流熱伝達の促進は、流体圧力が臨界点に近く、また、細線及び流体の温度差が小さいほど大きい。 また、実験と並行して、臨界点近傍の流体中を充填した2次元セル内の非定常伝熱について数値計算を行い、以下の点を明らかにした。 (3)伝熱面のステップ加熱開始後、各位置での温度は時間経過と共に上昇して行くが,臨界点近傍では定圧比熱が大きくなるため温度上昇が遅れ、温度分布にも明確な屈折点が生じる。 (4)作動流体の温度は、臨界点近傍で長時間一定値を保つが、臨界域から離脱するにつれて急激に減少し、温度勾配が大きくなる。これらの影響により、臨界点近傍では温度と圧力条件の設定により、1.5〜4倍の熱伝達率の向上が得られる。 (5)超臨界点近傍での物性値変化を利用して、作動流体の圧力・温度と臨界点・擬臨界点との関係をコントロ-ルすることにより、熱伝達特性や温度分布特性を能動的に制御できる。 以上のごとく、総合的な自己評価により、本年度の研究目標はほぼ達成されたものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)