Project/Area Number |
03203216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉浦 裕 東京工業大学, 理学部, 助教授 (00108185)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 二酸化炭素 / 分解除去技術 / メタネ-ション / 酸素欠陥マグネタイト / 炭素析出マグネタイト |
Research Abstract |
マグネタイトを300℃で水素処理することによって得られる酸素欠陥マグネタイトはCO_2をCにまで分解し、表面に炭素が析出する(炭素析出マグネタイト)。炭素の析出する条件を選ぶことにより、H_2ガスとの反応によるメタンへの転換が300℃で容易に起こることが見い出された。炭素の析出量が1nm^2当たり1原子以下の時には、300℃でH_2ガスとの反応によるメタンへの転換率は30分でほぼ90%(選択率=98%)であった。析出炭素量が1nm^2当たり1原子以上では転換速度が1/10以下となり、転換速度は析出した炭素量に大きく依存することが分かった。転換率は酸素の欠損度にも依存し、酸素の欠損度(δ)が0.06以上であれば30分間で析出炭素のうち70%以上がメタンに転換された。また、150〜350℃の範囲内でCO_2の等温吸着曲線を求めたところ解離型等温吸着式にほぼ従っており、CO_2の初期吸着熱は-40kJ mol^<-1>と推定された。これは二酸化炭素の解離エネルギ-より高いことからCO_2は直接炭素まで分解され、この解離吸着による活性の高い反応中間体が高効率メタネ-ションを誘起していると考えられる。解離吸着曲線は3点吸着モデルで近似できることからCO_2の2つの酸素が表面で酸素イオンとして解離すると同時に炭素が析出するという機構が推定された。また、炭素析出マグネタイトを400℃でH_2Oと反応させたときに水素が発生する反応では、化学分析、電子回析、熱重量分析などの結果から、表面がγFe_2O_3相に変化していることが確認された。活性化マグネタイトそのものもH_2Oとの反応によって水素を発生するが表面はFe_3O_4相であり、表面に炭素が析出している場合には、表面がFe_3O_4よりもさらに酸化さたγFe_2O_3となり、有効に水素を発生できることが明らかになった。
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