Project/Area Number |
03203225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
井上 泰宣 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30016133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野坂 芳雄 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30134969)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 光触媒 / 水の分野反応 / トンネル構造酸化物 / 酸化ルテンウム |
Research Abstract |
半導体光触媒による人工光合成型エネルギ-変換の高効率化を達成するために異なるトンネル構造を持つTi系酸化物における光触媒作用を調べた。酸化物として、Perovskite型空間のトンネル構造を持つWadsley‐Andersson型酸化物M_2Ti_nO_<2n+1>(M=H,アルカリ金属原子、n=6,8)、およびChemical‐Twin型のトンネル構造をもつ酸化物M'Ti_nO_<2n+1>(M'=アルカリ土類金属原子,n=4)を用いた。前者の酸化物においては、八面体Ti0_6が互いに角および稜で連絡した構造が平行に結び付き、TiO_6単位がn個抜けたトンネル構造(以下において、nPと記す)をもつ。3P構造のNa_2Ti_6O_<13>,4P構造のH_2Ti_7O_<18>および1P構造のTiO_2(B)にRuを担持した後、種々の温度で酸化処理し光触媒とした。水の分解反応に対する光触媒活性を比較すると、4P型のH_2Ti_7O_<18>酸化物および1P型のTiO_2(B)において、水素のみしか生成せず活性も低い。これに対し3P型のNa_2Ti_6O_<13>酸化物では、水素と酸素の生成割合は523〜823Kの酸化処理では,ほぼ化学量論比で生成した。4P構造の酸化物において酸素生成が見られないのは、電荷発生体である4P構造の特性によるものと考えられた。TiO_6ユニットの連結構造が、平行ではなく互い違いに連絡して形成されるChemical‐Twin型のトンネル空間をもつBaTi_4O_9酸化物にRuを担持し、848Kで酸化処理し光触媒とした場合に、反応当初より水素がほぼ化学量論比で生成し、その定常活性もこれまでに得られたRuO_2/Na_2Ti_6O_<13>触媒の最も高い値の約3.6倍程高い活性を示すことが見出された。トンネル構造を持つ酸化物を用いた光触媒では、活性発現の処理として酸化処理のみでよいことから、長時間の反応に対して活性が安定であることが示された。この光触媒作用の特徴は、トンネル構造がRu活性体を分子サイズあるいはクラスタ-サイズで強く保持し、励起電荷の伝達を促進する効果に優れていることに基づくものと考えられた。
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