超臨界二酸化炭素を抽出溶媒とする乳化液膜分離法による高度不飽和脂肪酸の分離・濃縮
Project/Area Number |
03203247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長浜 邦雄 東京都立大学, 工学部, 教授 (80087311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
来富 秀富 東京都立大学, 工学部, 助手 (20237895)
星野 大輔 東京都立大学, 工学部, 助手 (80106616)
加藤 覚 東京都立大学, 工学部, 助教授 (70126316)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 乳化液膜 / 不飽和脂肪酸 / EPA / DHA / 硝酸銀 / 超臨界流体抽出 / 魚油 |
Research Abstract |
本研究は、EPAやDHAなどの高度不飽和脂肪酸を含む油相を水溶液中に分散させてO/W乳化液を形成させ、これを超臨界CO_2中に分散させることによって乳化液膜の分離選択性を利用した不飽和脂肪酸の回収・分離を行ない、本分離法の有用性について実験的に検討することを目的としている。超臨界二酸化炭素を抽出溶剤とする利点としては、1)抽出した脂肪酸の回収が容易で、かつEPAやDHAなどの生化学物質の様な熱不安定性物質の分離に適していること、2)有機溶媒の使用が敬遠される食品関連物質の分離に適していることなどが挙げられる。 本年度の成果を以下にまとめる。 1.不飽和脂肪酸の透過を促進するためにAgNO_3などの塩を液膜水容液に添加すると油滴間の静電反発力が低下して液膜の安定性が著しく低下することが分かった。塩添加時の液膜を安定化するためには、乳化剤(サポニン)の濃度の増大、増粘剤(エチレングリコ-ルなど)の添加、pHの増加および温度の低下が効果的であることをみいだし、これらを相乗されることによって膜破壊率を0.3%以下に抑制する方法を開発した。 2.魚油由来の脂肪酸エチルエステルの混合物を5M AgNO_3水溶液によって抽出する実験を行ない、不飽和脂肪酸のみを選択的に抽出できること、および不飽和度の高いものほど抽出されやすいことを明らかにした。 3.5M AgNO_3水溶液中の脂肪酸エチルエステルを超臨界CO_2で抽出する実験を行ない、効果的に脂肪酸を脂収・濃縮できることを初めて明らかにし、抽出速度は極めて速いことおよび抽出率に及ぼす温度、圧力などの操作因子の影響も明らかにした。 4.ヘキサンを溶媒とする液膜分離実験により不飽和脂肪酸の濃縮が可能であることを明らかにした。 5.超臨界CO_2を溶媒とする液膜分離実験を行ない、一層効果的な分離を実現するためには40度程度の温度範囲において乳化液膜を安化させる必要があることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)