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¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
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Research Abstract |
局在電子状態の制御に関して,理論,実験両面から研究を進め,理論面での成果としては,半導体中の不純物原子の格子間位置での安定性を決める方法を明らかにした。対称性の高い原子配位では局在電子状態は縮退していることが多く,従ってJーT効果が生じ,原子が変位して自発的に系の対称性が下がる。従ってJーT効果を引き起こすモ-ドを調べ,不純物原子の変位座標を含むと,その格子間位置は不安定であると結論できる。次に,実験面での成果として,まずGaInP混晶半導体における長距離秩序構造を偏光ルミネッセンス法によって調べ,この長距離秩序構造の原因となっている局所的な原子配列の様子を明らかにした。また,GaAs基板上に成長したZnCdS混晶半導体へテロ接合について,界面変調分光スペクトルおよび電子ビ-ム励起ルミネッセンス・スペクトルの測定を行ない,ヘテロ界面における欠陥やひずみの評価ならびにZnCdSエピタキシャル膜中の欠陥の電子状態を明らかにした。さらに,IIーVI族半導体中の欠陥の電子状態に関して,GaAs上のCdTeエピタキシャル膜およびZnCdS/ZnSひずみ超格子に対する励起子の発光,反射,励起スペクトルを詳細に調べ,CdTe価電子帯の内部ひずみの効果を明らかにするとともにZnCdS/ZnSひずみ超格子における励起子効果を明らかにした。即ち,この超格子構造において励起子効果は室温における発光と吸収スペクトルに支配的に現われていることを明らかにした。次に,溶液成長させたZnSおよびZnSSeバルク結晶中の不純物および欠陥の電子状態を発光スペクトルおよびラマン散乱スペクトルの測定より調べ,Al,Ga,Te不純物エネルギ-準位および蛍光寿命の測定を行ない,青色発光素子への応用に関する知見を得た。また,znSSeのラマン散乱測定より,共鳴準位が励起子準位であることを確認した。
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