Project/Area Number |
03205014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
舛本 泰章 筑波大学, 物理学系, 助教授 (60111580)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | ZnSe / ZnS歪超格子 / 歪超格子 / ラマン散乱 / 顕微ラマン散乱 / 静水圧 / バンドオフセット / タイプI型超格子 / タイプII型超格子 |
Research Abstract |
1.ラマン散乱による二軸性歪の観測 歪超格子では、二軸性の応力が働いていると考えられ、界面に対し垂直方向と平行方向では異方性を有すると予想される。そこで我々は、顕微ラマン分光法によりレ-ザ-ビ-ムを約1μmに絞り、ZnSe/ZnS歪超格子の界面に平行(へき開面に垂直)に入射して測定を行った。測定したラマン線はZnSe(ZnS)のバルクLOフォノンの波数位置に比べて、それぞれのピ-クが高波数(低波数)にシフトしていることから、圧縮(引っ張り)応力を受けていることがうかがえる。LO、TOモ-ドはともに2つのピ-クに分裂した。これは、二軸性応力が存在する場合、界面に対し垂直に振動するモ-ド(シングレット)と平行に振動するモ-ド(タブレット)は異なった歪の影響を受け、振動エネルギ-が分裂したためである。この結果は、二軸性歪を格子振動の面から初めてとらえたものである。 2.静水圧印加によるタイプ変化、バンドオフセットの決定 ZnSe/Zns歪超格子はタイプI構造を有することが知られているが、陽イオン共通の組み合せであることからその伝導帯オフセットが非常に小さい値を示すことが予想される。この歪超格子に静水圧を印加すると、ZnSe井戸層及びZnS障壁層の伝導帯は共に高エネルギ-シフトする。しかし、Γ点の圧力係数は、ZnSeの方が約1.6倍大きな値を持つ。従って、静水圧印加に伴う両者の伝導帯のエネルギ-シフトは、ある静水圧下において交差することが予想される。実際、ZnSe/ZnS歪超格子の励起子発光強度、半値幅の静水圧依存性は約31kbarに明確な折れ曲がりを生じた。この測定結果は、約31kbarにおいて伝導帯のΓーΓ交差が生じ、この歪超格子のバント構造がタイプIからタイプIIへ変化すると考えることによって説明することができ、伝導帯オフセットの値を68.8meVと求めることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)