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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
マルトオリゴ糖やラミナリオリゴ糖の還元末端に長鎖アルキル基を結合させ,得られたアルキル化マルトオリゴ糖,ラミナリオリゴ糖に硫酸化して作った硫酸化アルキルオリゴ糖は,高い抗エイズウイルス活性を示すことを見出していた。オリゴ糖還元末端のアルキル化と生成物の分離精製をまず調べた。反応触媒としては塩化鉄(II),四塩化スズ,ヘテロポリ酸などがオリゴ糖主鎖切断を起すことなく,アルキル化を起した。アルキル化オリゴ糖の分離精製はシリカゲルカラムクロマトグラフで行った。硫酸化はピペリジン硫酸,三酸化イオウ‐ピリジンコンプレックス,クロル硫酸などで行い,糖単位中の3つの水酸基が出来るだけ多く硫酸化される条件を検討した。前二者が良い結果を与え,硫酸エステル基が2.5〜3.0個導入された。硫酸化アルキルオリゴ糖の抗エイズウイルス活性は,エイズウイルスHIV‐1_<HTLV‐IIIB>とMT‐4細胞を使って調べた。硫酸化マルトペンタオ-スの50%感染阻害薬剤濃度EC_<50>=267μg/mlと低かった。これにデシル基(C_<10>)をつけた硫酸化デシルマルトペンタオ-スはEC_<50>=10.2μg/mlと高活性になった。ドデシル(C_<12>)をつけかつ糖残基数を1つ増加した硫酸化ドデシルマルトヘキサオシドはEC_<50>=2.4μg/mlとさらに高活性となり,硫酸化オクタデシルマルトヘキサオシドはEC_<50>=0.6μg/mlと高活性カ-ドラン硫酸のEC_<50>=0.43μg/mlに匹敵した。これらの50%細胞毒性濃度CC_<50>は750μg/ml以上と低毒性であった。主鎖が1,3‐β結合したラミナリオリゴ糖からも同様の高活性化合物が合成された。別のウイルスと細胞を用いる抗エイズウイルス活性試験においても,硫酸化アルキルオリゴ糖は高活性を示した。平均重合度11のオリゴマ-混合物から出発した硫酸化アルキルラミナリオリゴ糖が最高の活性を示したので,さらに最適分子設計を行う予定である。
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