トリオキサン重合時に副生する大環状ポリオキシメチレンの生成メカニズムとその性質
Project/Area Number |
03205025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 正木 東京大学, 工学部, 教授 (50133103)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 大環状ポリ(オキシメチレン) / ラメラ表面 / トランスアセタ-ル化反応 / backーbiting / 二倍量大環状POM / 四倍量大環状POM / 連鎖的機構 |
Research Abstract |
大環状ポリ(オキシメチレン)(PMO)について一連の研究を行なった結果、大環状POMの生成メカニズムはラメラ表面でのトランスアセタ-ル化反応による“backーbiting"であろうと推定してきた。本研究では、仮定している大環状PMOの生成メカニズムをさらに裏付けることを主な目的とした。 まず、大環状物を含まない直鎖状PMOを等温再結晶させて得た試料と、ルイス酸との固液反応を詳細に検討した結果、二倍量、四倍量大環状POMがかなりの割合で生成することを見出した。また、溶液反応においても同様に、二倍の分子量を持つ環状物が観察された。さらに、この固液反応の経時変化をGPCにより測定した結果、二倍量、および四倍量大環状POMの生成量は、反応時間と共に連続的に増加し、もとの大環状POMは、二倍量、四倍量の大環状POMに対し連続的に減少することも観察された。反応時間と共に生成量が連続的に変化すること、および三倍量大環状POMの生成は観察されないことより、二倍量、四倍量大環状POMの生成機構が、ラメラ表面において隣接した環状物同士のトランスアセタ-ル化反応であろうと推定した。また、隣接した環状物同士が反応するためには、元の大環状POMが一種のドメインを形成している必要があると考えられる。ドメインを形成するためには、連鎖反応的な要素が必要である。これらのことから、『大環状POM生成反応は連鎖的機構で進行している』と推定した。さらに、大環状POMのIRスペクトルおよびラマンスペクトルには、環状構造によるものと思われる、直鎖状POMとは異なる吸収波長のシフトが観察された。 今後さらに、トリオキサン溶液重合系での大環状POMの生成についての詳細な研究を進める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)