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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
疎水性塩(長鎖第4級アンモニウム塩)のLB膜被覆法および疎水性微粒子(テフロン微粒子)の複合めっき法により疎水性電極材料の創製に成功した。 LB膜被覆電極は疎水性陰極として使用され,カルボニル化合物および活性オレフィン類の電解還元では生成物選択性の大巾な向上をもたらし,またα‐ヒドロキシアルデヒド類の還元では100%の官能基選択率を達成するなど,この種の疎水性電極が電解反応の選択性の合目的的制御に極めて有効であることが実証された。 一方,複合めっき電極は疎水性陰極としてのみならず疎水性陽極としても使用できることが確められた。すなわち,陰極としての使用では,カルボニル化合物および活性オレフィン類の還元において,また陽極としてはアルコ-ル類およびアミン類の酸化において,いずれも極めて顕著な電流効率の増加を示した。 上記の複合めっき電極は水との接触角125゚に達する高い疎水性を示したが,電流効率増加をもたらす理由についてもボルタンメトリ-により詳しく検討され,水の酸化・還元過電圧に比べて有機基質のそれを相対的に低くするためであるとの結論が得られた。 フッ化黒鉛,フッ化ピッチ,テトラフルオロエチレンオリゴマ-などの新しい疎水性物質を用いて,接触角が170゚以上の超疎水性電極とも言うべき電極の試作が進んでおり,このような高度に疎水的な電極は有機基質のエマルジョン系電解の電流効率向上に卓効あることなどが明らかになりつつある。
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