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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
ラジカル開環重合の最大の特徴は,種々の官能基(エステル,エ-テル,ケトン基等)をラジカル単独重合,共重合によって容易にポリマ-主鎖に導入できる点にある。本研究では,ラジカル開環重合における置換基効果,及びラジカル開環重合による重合時の体積収縮の制御について検討した。以下に本研究で得られた成果について述べる。 1.2,2ージフェニルー4ーメチレンー1,3ージオキソラン(1)のラジカル開環重合における置換基効果:ベンゾフェノンの脱離を伴いながらラジカル開環重合しポリケトンを与えることが知られている1の環上の置換基の影響を調べるために5位にメチル基を導入したジオキソラン(2)を合成し,そのラジカル重合挙動を検討した。その結果,2は1に比べラジカル開環能が向上し,また2から得られるポリマ-はメチル基を導入したことにより,1から得られるポリマ-に比べ溶媒に対する溶解性が大きく向上することが見い出された。 2.重合時に非収縮性を示すラジカル開環性モノマ-の開発:我々はスピロ構造を有するモノマ-が二重開環異性化重合をする際に体積膨張することを利用し,ラジカル重合時に体積膨張を伴うことが期待できるスピロオルトカ-ボナ-ト構造を有するモノマ-の合成と重合について検討した。その結果,重合時の体積収縮率は開環率が向上すると共に小さくなり,重合条件によって体積収縮率が制御できることを見い出した。 3.ビニルオキシラン類のラジカル重合挙動:我々はオキシラン環上にラジカル安定基を有するビニルオキシランが高いラジカル開環能を有することを見い出しているが,塊状重合すると架橋する問題点がある。そこで,ビニル基のα位にメチル基を導入して重合を行なったところ,塊状重合によっても架橋せず,主鎖にビニルエ-テル構造を持ったポリマ-が収率よく得られることを見い出した。
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