Project/Area Number |
03205051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
塩見 友雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10134967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 清和 , 名誉教授 (60115102)
手塚 育志 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80155457)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 環境応答性 / 多相高分子 / 表面 / 相互作用 / 表面自由エネルギ- / 接触角 / ゴム状態 / 結晶状態 |
Research Abstract |
多相高分子の表面及び界面における組成や構造が、外部環境と相互作用してどの様な応答挙動を示すかを明らかにすることは、表面機能性素材特に生体機能素材の分子設計にとって重要である。本研究では、化学的に異なった成分鎖ばかりでなく物理的性質(ゴム、ガラス、結晶状態)も異なる成分鎖を含む多相高分子において、空気中から水中へ環境を変化させたときの高分子表面の環境応答挙動をXPS及び接触角測定より明らかにした。 結果は以下の通りである。(1)空気中において製膜された試料フィルムはすべて表面自由エネルギ-の小さい成分が表面に濃縮されている。その試料を水中に浸漬すると、片方の成分鎖がフレキシブルである場合は媒体と成分鎖の相互作用に応じて速やかに表面成分の交替が起こり、その変化は可逆的であった。(2)一方の成分鎖がガラス状態でありもう一方が結晶状態である鎖からなる共重合体においては、環境応答性はみられなかった。しかしその場合でも、融点以上の温度では速やかな環境応答を示した。(3)同じ成分からなる多相高分子でもグラフト共重体の方がブロック共重合体の方が速い環境応答を示した。特に、グラフト共重合体においては、共重合体組成が高々30%程度の成分であっても表面をほぼ覆い尽くすことが明らかになった。(4)このような表面成分の環境応答挙動は、片方の成分鎖の運動が凍結(ガラス状態)されていても起こること及びブロックよりもグラフト共重合体の方が環境応答に敏感であることを考えると、分子そのものの移動よりも成分鎖の広がりの伸縮が多分に寄与したものであることが示唆される。また、それはいずれも可能である。ーーー以上より、表面機能性多相高分子材料の分子設計において、機能的化学構造を有する成分の導入は当然であるが、その表(界)面自由エネルギ-と物理的状態を考慮することが非常に重要であることが明らかになった。
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