クラスタ-の構造と機能発現との相関に関する理論的研究
Project/Area Number |
03205058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平尾 公彦 名古屋大学, 教養部, 教授 (70093169)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | マイゼンハイマ-錯体 / 5配位化合物 / 擬回転反応 / 電子相関 / Multireference MollerーPlesset法 |
Research Abstract |
本研究は,クラスタ-および分子集団の示す諸機能がそれらの構造とどのような相関関係にあるかを,理論化学の立場より解明し,クラスタ-の発現する諸現象の理解に役立つ新しい概念を構築することを目的としている.本年度は,静電的な力と電荷移動力の重復によってできるマイゼンハイマ-型イオン・クラスタ-の構造とその安定性を論じるとともに,第3周期以降の元素を中心原子とする5配位化合物の凝回転反応の機構を解明した.正確な化学反応ポテンシャルを描くことが分子設計,材料設計の基礎である.しかし,現在においても簡便な方法でポテンシャル曲面を反応経路全体にわたって化学的な精度で算出する理論は開発されていない.本年度は,この問題をについても研究した.この方法はMultireference MollerーPlesset摂動論である.理論の基本的な考え方は次の通りである.一体近似であるSCF法からの改善を図るには電子間の衝突,相関を取り込まねばならない.電子相関効果には2種類あり,1つはCoulomb holeに由来するDynamical Correlationであり,他の1つはnear degeneracyによるnonーdynamical correlationである.最初のdynamical correlationは電子間の衝突をそれぞれ独立に扱うIndependent electron pair approximation(IEPA)が良い近似となる.また,nonーdynamical correlationはmultireference近似が有効である.したがってstateーspecificなnonーdynamical correlation効果を0次波動関数に取り込んでおけば,残りはdynamical correlationだけになり,これらはIEPAで評価できる.この考え方に基づきmultiーconfigurational SCF波動関数をreference functionとする2次のMollerーPlesset(MP)摂動法を新しく開発した.本理論は物理的描像も簡潔であり,計算も従来の方法に比較して飛躍的に簡単になる.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)