Project/Area Number |
03205067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
左右田 健次 京都大学, 化学研究所, 教授 (30027023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平沢 敏子 京都大学, 化学研究所, 教務職員
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50135597)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ロイシンデヒドロゲナ-ゼ / フェニルアラニンデヒドロゲナ-ゼ / キメラ酵素 / ドメイン分断 / NAD結合部位 / 水素転移位体化学 / 耐熱性酵素 |
Research Abstract |
フェニルアラニン脱水素酵素はフェニルアラニンの可逆的脱水素反応を触媒するNAD要求性の酵素である。好熱性放線菌、Thermoactinomyces intermediusの本酵素の1次構造は、Bacillus stearothermophilusの耐熱性ロイシン脱水素酵素の一次構造に対して47.1%の相同性を示し、特に、180番から220番のアミノ酸残基の間に相同性の高い特徴的な配列がみられた。いずれもGlyーXーGlyーXーXーGlyー(X)1_0-Glyー(X)6_-Aspという配列を含んでいた。この領域はNAD結合ドメインを構成していると考えられた。また、60番から120番のアミノ酸残基の間にも特徴的な配列がみられ、両酵素の1次構造の相同性は極めて高い。特に、80番付近にGlyーGlyーGlyーLysという配列が存在し、この領域は基質結合ドメインを構成していると考えられた。そこで、実際にこのようなドメイン構造が存在するかどうかを明らかにするために、酵素の限定分解を行った。耐熱性フェニルアラニン脱水素酵素をズブチリシンで処理したところ、相異なる分子量を持つ2種の主要なタンパク質断片に分解された。それぞれのN末端配列を解析したところ、本酵素は主にThr147とSer148の間で限定分解を受けていることが明らかになった。一方、耐熱性ロイシン脱水素酵素の場合にはこのような結果を得ことができなかった。両酵素の基質特異性は明白に異なるけれども、1次構造上の相同性が高いこと、NADH水素転移の立体化学がいずれもB型であるなどの理由により、両酵素は互いに極めて類似した立体構造を持つと予想された。耐熱性フェニルアラニン脱水素酵素においてはN末端ドメインに基質結合部位が存在し、C末端ドメインにNAD結合部位が存在すると考えられた。ロイシン脱水素酵素のN末端ドメインとフェニルアラニン脱水素酵素のC末端ドメインを遺伝子工学的手法を用いて結合させ、キメラ遺伝子を構築し、活性を持つキメラタンパク質を発現させるのに成功した。
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