Project/Area Number |
03205079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 武 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (60093358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 良晴 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (10132276)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ケミカルバイメタル / 銅イオン / ポリ塩化ビニル / エチレンーアクリル酸共重合体 / イオン選択性 / アルカリ |
Research Abstract |
アルカリ感応性ケミカルバイメタルの応答範囲を広げるため、さらに検討した結果、組成がペラルゴン酸20%、DOP40%、PVC40%で膜厚が0.6mmの物が再現性が良く、応答範囲が広い事がわかった。この膜を用いて、各種のアルカリ溶液に対する応答性を調べた結果、弱アルカリでは応答性が少し落ちることがわかった。また、プロピルアミン濃度が濃くなると逆方向の応答性を示した。これは、強アルカリでは反応速度が水中での水酸イオンの拡散律速によるのに対して、弱アルカリ溶液ではPVC膜の界面の拡散層中で弱アルカリがペラルゴン酸により中和される。このため、界面のpHが低下し、未解離のペラルゴン酸濃度が高くなるため、ペラルゴン酸のPVC膜中かの溶出が低下するためと考えられる。このことは、界面でのイオン平衡と拡散を考慮したディジタルシュミレ-ションによって確認した。プロピルアミン濃度が濃い場合は水層中のプロピルアンモニウムイオン濃度が高いため、ペラルゴン酸イオンとイオンペア-を生成する。このイオンペア-は電荷が中性であり、かつ親有機性であるため再びPVC膜中に溶解するため変位量が減少しているからである。Kelex100を用いた銅イオンに感応するケミカルバイメタルは0.2〜1mMの銅イオンが測定できるなど、感度が良かったが、0.2mM以下では応答を示さないという欠点を持っていた。この原因としては、銅イオン濃度が低い場合は、生成したキレ-トが、感応膜中に再溶解するためと考えられる。この欠点を改良するために、反応物質としてLIX26を用いたケミカルバイメタルを開発した。このケミカルバイメタルは0.2mMまで良好な応答性を示し、KELEX100の場合と比べて感度が5倍向上した。また、このケミカル・バイメタルは銅イオンの下水の排水基準である3ppmを直接測定できる感度があることがわかった。
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