高速の電子励起イオン脱離法による結晶表面欠陥の生成・消滅過程の動的観察
Project/Area Number |
03205081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 一之 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029212)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | Electron stimulated desorption / ESD / Hydrogen / Surface defect / Hydrogen termination / Adsorption of hydrogen / Time of flight / TOFーESD |
Research Abstract |
物質の表面に固体のバルク的な性質と異なった新しい電子状態が表面の電子構造配列に対応して局在している。この局在した電子状態を制御して、その物質にさらに新しい機能性を持たせることができる。この電子状態の制御に際して用いられる方法は、他の物質を原子層レベルで積み上げて人工的な結晶配列を作ること、活性なガスとの反応によって表面層にバルクとは異なった性質の物質相を形成することなどが主としてあげられる。本研究ではシリコンの(111)面と(100)面を用いて表面欠陥の数を制御し金属原子を分子線法でエピタキシャル成長させて上記のことを検証し新しい技術に結び付けようとすることを目的として実施した。 電子励起イオン脱離法による動的観察法の成果としてシリコン単結晶に原子状水素を吸着させることで吸着特性の変化とRHEEDによる観察から表面にハイドライドが形成され表面の再配列構造が乱れていくことが判った。これは,Si(111)面よりはSi(100)の方が著しく水素の吸着量が大きかった。繰り返し実験を行った結果、Si(100)面のフラット面(±0.5゚)と微傾斜面(〜4゚)では,水素吸着に対するプロトンのイ-ルドは、500ラングミュア(L)以上の水素吸着に対して大きく異なり、ステップ面の影響が生じているものと思われる。これが分子状の水素を吸着させた時はプロトンのイ-ルドは露出量に対して直線的に増加し、しかもRHEEDの観察によると分子状の水素は表面原子に急速な腐食を生じさせないと見えて、表面の原子配列の構造変化を伴わない。 脱離するプロトンの運動エネルギ-分布曲線の測定から、エネルギ-分布は、2eV,4eVおよび7eV付近にピ-クを持っていることが判る。表面状態の違いに応じてプロトンのしきい値は、21eV〜30eVの間で変化した。エネルギ-分布としきい値からシリコン上に吸着した水素の脱離の機構が判明するはずであるが目下解析中である。水素吸着面に金属原子をエピタキシャル成長させて、表面欠陥と成長様式の関係も研究する予定だったが、新しい現象に対する確認実験とプロトンの脱離の機構解明に関する実験を追加したために、次年度に繰り延べることにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)