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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
刺激誘起相転移現象の普遍性をポリ(Nーイソプロピルアクリルアミド)(PNIPA)水溶液の相分離を用いて明らかにし,その結果を高分子ゲルの変形へ応用展開することをめざして研究をすすめた。PNIPAの側鎖へアンモニウムイオンを取り込むベンゾー18ークラウンー6,電気化学的に酸化還元応答するフェロセン,ゼオロ-ゲンを導入し,これらの高分子水溶液の相分離挙動を検討した。これらの官能基の導入により,アンモニウムイオン添加による相分離,電気刺激による相分離が期待される。 クラウン基を含まないPNIPA水溶液へアンモニウムイオンを添加しても相分離温度に変化は認められなかったが,クラウン基を12mol%含むPNIPA水溶液の相分離温度は著しく低下した。アルキルアンモニウムイオンよりもフェニルアンモニウムイオンの効果が顕著であった。これは,フェニルアンモニウムイオンの疎水性が大きいためと考えられる。高分子水溶液の温度を10℃に固定し,種々のアンモニウムイオンを添加した所,アルキルアンモニウムイオン添加の際には溶液は透明のままで変化は認められなかったが,フェニルアンモニウムイオンを10^<-1>M添加すると溶液は白濁し,相分離の誘起されることが認められた。特定のアンモニウムイオンにのみ応答して相転移変形する高分子ゲル構築の可能なことが示された。 フェロセンを含むPNIPA水溶液の相分離温度は.酸化により上昇することが認められた。フェロセンを4.6mol%含む高分子系では,18.1℃から23.8℃にまで上昇した。温度を20℃に固定し,酸化・還元反応に伴う透過率変化を測定した所,酸化により相分離状態→可溶状態,還元反応により可溶状態→相分離状態の相転移の誘起されることが確認された。
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