Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狩俣 繁久 琉球大学, 法文学部, 助教授 (50224712)
玉城 政美 琉球大学, 法文学部, 助教授 (30101455)
高良 富夫 琉球大学, 工学部, 助教授 (70163326)
加治工 真市 沖縄県立芸術大学, 美術工芸学部, 教授 (10106586)
屋比久 浩 琉球大学, 法文学部, 教授 (50044821)
|
Research Abstract |
A班に共通な音声資料の収集作業に関しては,第3年度である今年度にその当初計画のすべてをおえることができた。本年度あらたに収集録音作業をおこなった地点のうちには,鹿児島県大島郡の加計呂麻島や宮古島平良市のような,日本語諸方言の中で,音韻論的に,またアクセント・リズム構造の研究の上で非常に興味ぶかい方言がふくまれている。 また,琉球列島諸方言をふくむ日本語方言におけるアイヌイズムの存在の問題をあきらかにするための基礎的な音声資料として,また,日本の南北両端の周辺的方言の音声を比較する目的で,秋田県仙北郡角館方言,およびマタギの里として名高く,アイヌ語起源の地名のおおくのこる北秋田郡阿仁町方言の音声の収集を昨年にひきつづいておこなった。 一方,当班に独自の琉球列島諸方言の諸種の音声資料収集計画(単語レベル,文レベル,作品レベルの3種類の音声資料,すなわち辞書や語彙集の項目と例文の音声化,歌謡,民話,演劇の脚本,方言ニュ-スなど,諸種の方言音声資料の組織的収集とテキスト化)の作業も,それぞれ進捗状況におおきな差があるけれども,前年度にひきつづいて順調に進行している。このうち,仲宗根政善著「沖縄今帰仁方言辞典」のアクセント付きの全項目の録音を著者の今帰仁与那嶺の旧友(男女2名)の協力をえつつ2年半をついやして終えることができたのは,この方言の音声資料の価値の高さからみて特筆に値しよう。また,これらの収集作業と平行して,これら大量の音節資料の分析のための,音声分析のための理論の構築もすすめられている。さいわいなことに研究期間が1年延長される見通しなので,未完成のこの班独自のおおくの音声収集とテキスト化の作業とともに,収集した音声資料に基づく理論的な,実験学的な研究,教育的見地からの研究は第4年度へむけて続行されることとなった。
|