日本諸方言における四つ仮名から二つ仮名体系への変化過程に関する研究
Project/Area Number |
03208110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
久野 マリ子 国学院大学, 日本文化研究所, 助教授 (90170018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 孝夫 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (60083234)
久野 眞 聖徳学園岐阜教育大学, 教育学部, 講師 (20178023)
大野 眞男 岩手大学, 教育学部, 助教授 (30160584)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 二つ仮名 / 一つ仮名 / 四つ仮名 / 子音 / 京都市方言 / 出雲方言 |
Research Abstract |
Eー3班は、平成2年度、高知県中村市・安芸市、鹿児島県枕崎市における四つ仮名の音声実態を報告した。平成3年度の研究目的は、二つ仮名弁と一つ仮名弁を四つ仮名の視点から調査しその実態を明らかにし、音声デ-タベ-スの資料を作成し分析をすることである。 二つ仮名の方言として京都市、一つ仮名の方言として島根県仁多郡横田町で調査を実施した。音声をDATで録音し、同時に、2台のビデオで話者の上半身を正面と側面から撮影した。また、エレクトロパラトグラフによって、二つ仮名・一つ仮名の破擦と摩擦の状態を記録した(様々な理由から軟質の口蓋を使用せざるをえなかった)。「録聞見」を使わせていただいて、DAT録音の音響分析をした。 調査項目は、平成2年度に使用した四つ仮名調査項目を補完した97項目・外来語16項目、サ行ザ行タ行ダ行を含む項目16)を用いた。 調査の結果:京都市の二つ仮名方言と、島根県横田町方言の一つ仮名方言の代表的な音声の資料が作成できた。 二つ仮名方言の特徴:四つ仮名項目の具体音声を「じ・ぢ・ず・づ」は[З^i〜 ^dЗ^i][zu〜 ^dzu]と発音される。概ね摩擦音か軽い破擦者である。他のザ行子音「ざ・ぜ・ぞ」も同様に摩擦音である。四つ仮名項目の音声から言えば京都市方言では「じ・ず」の音声が残り、「ぢ・づ」の音声が失われたことになる。 一つ仮名方言の特徴:四つ仮名項目の具体音声は「じ・ず・ぢ・づ」は[dzi]または[dzui]と破擦者に発音される。[dzi]、[dzui]の間には音韻的対立はない。ただし、共通話の場面では「じ・ず」の区別をする傾向がある。パラトグラフの結果からも、京都方言の方が摩擦者が多く現れるかまたは破擦の程度が軽く、横田町方言の方が破擦者の破裂の程度が強いことが指摘できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)