Project/Area Number |
03209202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
吉田 尚弘 富山大学, 理学部, 助手 (60174942)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 骨化石 / リン酸塩 / 酸素同位体比 / 環境水 / 鯨 / ナウマン象 / オオツノシカ |
Research Abstract |
1.神門貝塚(5000‐7000 yr B.P.)から得られた鯨化石の酸素同位体比は、東釧路貝塚、真脇遺跡から得られた鯨骨化石の酸素同位体比とともに現在より‰程度低かった。海水の酸素同位体比が低かったということは、酸素同位体比の低い高山や両極の氷河が融解し、海水の酸素同位体比を低下させていたことを示し、現在より地球規模で温暖であったことを示している。 2.北海道産の第三紀の鯨化石について酸素同位体比を測定した。2500万年から数百万年前の地層から発堀された鯨化石の酸素同位体比は現在に比べて、±3‰程度の変動を示している。2500万年前から数百万年前までの海水の酸素同位体比の上昇傾向は、新第三紀における寒冷化傾向を表しているものと考えられる。 3.野尻湖の3から5万年前と ^<14>C年代が測定されているナウマン象、オオツノ鹿の骨試料について昨年度から継続して酸素同位体比を測定した。その結果、5から4万年前にかけて、一時、平均気温の上昇がみられるものの、ナウマン象からは2から3℃、オオツノ鹿からは2から6℃、現在より平均気温が低かったと推定された。 4.ヒトの骨と環境水の酸素同位体比の相関については、昨年度までに得られた結果を補完する結果を得ている。縄文から江戸にかけて日本国内の人骨と環境水の酸素同位体比には、ほかの哺乳動物同様に比較的良い相関があった。この相関はおもに欧米人について求められた相関と若干の相違を見せている。食性や代謝の相違を示しているか、あるいは急峻な国土を反映して、日本人は環境水より低い酸素同位体比をもつ高地の水を飲用していることが影響している可能性もある。時に現代人は、内陸の山地を水源とする同位体比の低い水系の水に加えて、高地野菜などの食物中の水も影響していることなどが推測された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)