Project/Area Number |
03210106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川瀬 洋一 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (60027448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 佐一 関西大学, 工学部, 教授 (90067398)
小原 孝夫 姫路工業大学, 理学部, 教授 (70107986)
那須 三郎 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00030057)
跡部 紘三 鳴門教育大学, 自然系, 助教授 (90027467)
下村 義治 広島大学, 工学部, 教授 (40033831)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥7,500,000 (Direct Cost: ¥7,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥7,500,000 (Direct Cost: ¥7,500,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導材 / 低温原子炉照射 / 超伝導遷移 / 欠陥構造 / 酸素効果 / 歪効果 / 磁気構造 / イオン注入 |
Research Abstract |
高温超伝導材の構造は、ペロブスカイト型酸化物であり、その特性は酸素含有量により変化する。従って、中性子あるいはイオン照射により点欠陥が導入されたり、酸素位置が変化すると超伝導特性が敏感に変化する。昨年に引き続き、種々の実験を行った結果、以下のような事実が判明し、照射効果・歪効果についての理解が深められた。 原子炉照射による特性変化については、低温(25K)の照射で2.7×10^<16>n/cm^2までは超伝導特性に大きな変化はなく、照射誘起超伝導現象は観測されなかった。電子顕微鏡による損傷欠陥観察でも、360Kで7×10^<17>n/cm^2の照射では双晶組織は壊れていないことが確認された。 銀シ-スBi系酸化物超伝導線材を用いて臨界電流の引張歪に対する補強効果について調べた結果、降伏応力に対し約10倍増強された。 YBCO系の磁気構造を調べるため、放射性 ^<140>Baを30keVでイオン注入し摂動角相関法によりBaサイトの内部磁場を測定し、YBa_2Cu_3O_6では外場の約3倍の内部磁場が観測された。また、 ^<57>FeをLa_2NiO_<4+y>にド-プしたメスバウワ-分光測定では、酸素濃度の増加に伴い磁気転移点は低下し、内部磁場も僅かではあるが減少の傾向にある。 前年度に行った中性子照射試料のNMR測定では共鳴信号を観測できなかったので、本年度は高圧酸素処理をして照射した。中性子照射によりマイスナ-反磁性を示す部分が減少していること、超伝導転移温度がわずかに向上していることが判明した。またNQRの共鳴周波数を温度を変えて測定し、温度上昇に対し共鳴周波数は単調に減少した。 イオン照射注入による超伝導特性を調べるため、500keVプロトンを2×10^<14>〜2×10^<17>/cm^2注入し、その電気抵抗率を測定した。注入によって破壊された結晶格子は熱処理によって回復し、注入した水素は酸素欠陥位置を占め、歪んだCuー0面の結合手は超伝導特性が向上するよう再配列した。
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