Project/Area Number |
03210205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
井口 家成 筑波大学, 物質工学系, 教授 (10011173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古山 正文 筑波大学, 物質工学系, 講師 (20211534)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥12,500,000 (Direct Cost: ¥12,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥12,500,000 (Direct Cost: ¥12,500,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / トンネル効果 / ジョセフソン効果 / シャピロステップ / フラウンホ-ファパタ-ン / 絶縁バリヤ / YBaCuO薄膜 / 異方性 |
Research Abstract |
種々の人工バリヤ及び自然バリヤ、また異なった結晶配向性をもつYBaCuO薄膜を用いて、YBaCuO/I/Pbの薄膜トンネル接合を作成し、その準粒子トンネル特性、ジョセフソン特性を調べてきた。また系統的に得られたデ-タをもとに高温超伝導体のトンネルモデルを構築した。 YBaCuO薄膜の電子ビ-ム同時蒸着法による堆積について、MgO、SrT:O_3、LaGaO_3、LaSrGaO_4(001)基板を用いた場合、C軸配向のみが得られた。一方積層デバイスに重要なa(b)軸配向膜は、LaSrGaO_4(100)基板を用いて成長させることに成功した。ただ得られた薄膜はC軸配向領域も一部存在することが認められた。薄膜成長の対するオゾンガス導入はあまり有効でなかったが、原子ラジカルビ-ムを使うと高真空でも超伝導膜が得られることが確かめられた。 数nmのMgO、Al_2O_3、Y_2O_3、自然バリヤを挟んだYBaCuO/I/Pb/接合の特性は、C軸、a(b)軸の配向の膜の間で異なった。a(b)軸配向膜の接合ではC軸配向膜に比べギャップの立上りが急峻になり、ジョセフソン電流一電圧特性も非線形性が強いものになった。またジョセフソン電流の大きさもC軸のそれに比べ一桁程度大きく1mA程度であった。しかしマイクロ波照射下のシャピロステップ、磁場印加下のフラウンホ-ファパタ-ンの様子はC軸のそれと変りなかった。一方、YBaCuO薄膜をわざと大気中にさらして作成した自然バリヤ接合では、人工バリヤ接合と異なった結果が得られた。この場合ゼロバイアス異常は見られなく、ゼロバイアスでコンダクタンスが極小となる特性が観測された。 以上の様々なトンネルデ-タを考慮して、新しい高温超伝導体のトンネルモデルを構築した。このモデルは通常のトンネル理論に薄膜表面での不均一性、表面の酸素欠損効果、異方性、短いコヒ-レンス長を取り入れたもので、得られた実験結果を定性的に矛盾なく説明できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)