超伝導エレクトロニクスに適した酸化物超伝導材料の開発
Project/Area Number |
03210212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 慎一 東京大学, 工学部, 助教授 (10114399)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 酸化物超伝導材料 / 銅酸化物高温超伝導体 / ビスマス酸化物超伝導体 / 異方性ド-ピング効果 / トンネル接合 |
Research Abstract |
エレクトロニクス材料あるいは線材としての応用を目指したとき、酸化物超伝導材料の問題点として、その大きな異方性がクロ-ズアップされてきた。本研究では、この問題に取り組み、銅酸化物高温超伝導体について、どのような形態(結晶構造、ド-ピング量)の物質が比較的小さな異方性を有するかを明らかにした。また異方性のない酸化物超伝導体Ba_<1ーx>K_xBiO_3(BKB)を取り上げ、エレクトロニクス応用への材料として銅酸化物よりも有望であることを実証した。 銅酸化物の異方性について明らかになったことは、その大きさが結晶構造とド-ピング量の2つの要因で決まっているということである。異方性が最も小さくなる結晶構造は、c軸方向にーCuーOーCuーOーという連鎖が形成されているもので、これに該当するのは、ペロブスカイト構造から派生したYBa_2Cu_3O_7と新しい高温超伝導体としての可能性を示唆されている(Ca,Sr)CuO_2の2つである。Y系材料では、実際これまでに知られている高温超伝導体のうちで最も異方性が小さいということが本研究によって実証された。更に各物質でド-ピング量の増加とともに異方性が減少することが確認された。このことから、Tcは多少減少しても、やや過剰にド-ピングされている材料が応用にとって望ましいことがわかった。 BKBのTcは30Kで液体窒素温度に到達していないが、異方性がないおかげで接合作製の点で銅酸化物に優越している。本研究では、スパッタリング法で高品位薄膜を作製し以下のことを明らかにした。 (1)BKBの上に金を蒸着することで安定なバリア-が形成され、フォトプロセスによるパタ-ニングでトンネル接合素子を作成できる。 (2)絶縁物質BaBiO_3(BBO)をはさむことでBKB/BBO/BKBという酸化物薄膜のみのジョセフソン接合が作製できる可能性が高い。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)