Project/Area Number |
03210223
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤田 敏三 広島大学, 理学部, 教授 (20004369)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 文彦 広島大学, 理学部, 助手 (40231477)
前野 悦輝 広島大学, 理学部, 助教授 (80181600)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
|
Keywords | 酸化物超伝導膜 / 磁化曲線 / 不可逆磁場 / 磁束クリ-プ / 超音波 |
Research Abstract |
本研究のねらいは、新超伝導エレクトロニクスの基礎となる酸化物高温超伝導膜の作成とその物性評価である。本年度は、YBCOとBSCCO膜の磁化曲線の解析とYBCO/PrBCO積層膜の超伝導転移の磁場依存性の測定を行い、酸化物高温超伝導膜における磁束の基本的なふるまいを調べ、明らかにした。 c軸配向のYBCO膜(Tc=87K)とBSCCO膜(Tc=78K)の磁化曲線を測定した。測定には磁気シ-ルドにより雑音を除去して分解能を改善したSQUID磁束計を用い磁場0〜5T(〓c軸),温度0〜90Kで実験した。その磁化曲線から、(1)不可逆磁場H^*(T)を決めた。(2)H^*は十分低温で、exp(-T/To)に比例し、(3)Toは個々の試料によらず、物質構造に依存することが判った。(4)磁化曲線のヒステリシスΔMを規格化した磁場H/H^*で整理すると、温度や試料によらないユニバ-サルな1本の曲線にのる、(5)この曲線は、磁束クリ-プモデルにより説明が可能で、(6)それには、ピン止めポテンシャルに対数的な電流依存性U〓ln(Jo/J)を仮定する。(7)この仮定は、磁場中の電流電圧(IーV)特性の非線形性とも矛盾しない。そこでYBCO/PrBCO積層膜における磁場中超伝導転移を解析すると、IーV特性およびJcの磁場依存性が上記の磁束クリ-プモデルと矛盾なく説明できた。 さらに磁束の動的ふるまいに関する情報を得るため、超音波音速の測定により、LSCOの弾性定数の温度依存性を調べた。温度が不可逆磁場T^*より低くなると、剛性率の増大がみられるが、T^*より高くなるとゼロ磁場の場合と同じかむしろ減少する。このことは、T^*以上で確かに磁束格子が形成されていることを示す。T^*以下では、磁束格子が脱ピニングあるいは融解していることになる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)