新超伝導工学:トンネル電流による電子間相互作用の直接検証
Project/Area Number |
03210227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
津田 惟雄 東京理科大学, 理学部, 教授 (20155386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 大介 東京理科大学, 理学部, 助手 (20206171)
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Project Period (FY) |
1989 – 1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / トンネル効果 / ビスマス銅酸化物 / 電子ーフオノン相互作用 / 高温超伝導フオノン機構 / 強結合超伝導 / エネルギ-ギヤップ / 超伝導体ー半導体接合 |
Research Abstract |
我々の目的はトンネル伝導度の微細構造から、電子間引力を媒介するものを同定することにあるが、1989年にフオノンである事を発表以来、依然として人々はそれを疑っているようであるから、皆が納得するまで、再現性とよりきれいなデ-タの提示に努めねばならぬ。従って今年度も、そのことに努めた。また常伝導微分伝導度のゼロバイアス抵抗ピ-クがあらためて問題となったから、それに関する研究も行った。 1.Bi2201,Bi2212,Bi2223の全てでフオノン構造を観測し、温度変化をとり、ギヤップとTcをきめた。このようなギヤップの決め方は我々だけである事を強調したい。ギヤップ内電流の流れるトンネル研究の現状では、この方法が唯一理論的根拠を持つ方法である。他の実験手段で得られた結果と数値的に矛盾がないことが逆にフオノン構造説の生当性を示唆している。ただし、Bi2221以外はフオノンの状態密度が報告されていないから、Bi2212と比較した。ラマンの結果はそれらで殆ど同じである事が根拠である。2△/kTcの結果は:11meV/20K=6.4(Bi2201),52meV/85K=7.1(Bi2212),68meV/98K=8.1(Bi2223).微細構造が見える以上、ギヤップは面内一様である。ギヤップの温度変化はBCS的である。比から判るように強結合である。即ち、2000K以上の高振動数の何かと相互作用を持つものではない。またフオノン以外のフオノン程度の振動数の何かが関与していてもそれは微細構造を与えるようなものではない。比はTcとともに増加している。これらはフオノンのみであることを示唆している。 2.常伝導の伝導率に、単純な金属では現れない抵抗ピ-クがある事は事実であるが、その勾配とTcの間には相関はなく、さらにNa_<0.9>WO_3でも見られる事から、抵抗ピ-クは高温超伝導とは直接的には関係はないと結論する。 3.STMによるBi2212のcー面とcー軸方向の原子像は観察できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)