Project/Area Number |
03211203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平井 敏雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 守 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30005954)
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50209459)
山根 久典 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20191364)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 膜 / 化学気相析出法 / 低温化 / 酸素分圧 / 結晶配向 / 超伝導転移温度 / 臨界電流密度 |
Research Abstract |
従来のβ‐ジケトン金属錯体を原料とした化学気相析出(CVD)法では、超伝導転移温度(Tc)が高くしかも臨界電流密度(Jc)の高いYーBaーCuーO(YBCO)は膜は析出温850℃で作製されていた。この析出温度は、物理蒸着法で通常高Tcで高Jcの膜が作製される析出温度よりも100%℃以上高い。このようにCVDでは析出温度が高いことが最大の短所とされていた。本研究では、CVD法における析出温度の低温化を目的として、異なる酸素分圧条件で析出温度を変化させて成膜し、各析出温度で得られる膜の結晶配向や結晶性、膜の表面組織に及ぼす酸素分圧の影響を調べた。 実験の結果、結晶性のよい高Tcで高JcのYBCO膜の析出温度が成膜時の酸素分圧に大きく依存しているこが明らかになった。P(O_2)=3.6Torrでは850℃付近で、0.036Torrでは700℃付近で、Tc(R=0)=90-92K、Jc(77.3K,OT)>10^6A/cm^2の膜が作製された。これらの条件はCu_2OーO_2ーCuO平衡ライン付近に位置していた。これらの条件で作製されたYBCO膜は77.3K、20Tを越える高磁場中においても10^4 A/cm^2を越けるJcを有した。以上の結果、酸素分圧を制御することによりCVDの析出温度を850℃から700℃に下げることが出来ることが明らかになった。 次にこの成果を応用して、YBCOのシリコン基体上への低温成膜を試みた。Si単結晶基体は、通常入手可能な基体のなかで最も高品質で安価な基体であり、半導体をはじめ様々な薄膜作製用基体として幅広く利用されている。本研究では、電子ビ-ム蒸着法によりSi(100)単結晶の上にYSZ(500A)層を蒸着し、さらにその上にY_2O_3(200A)層を蒸着したもの(Y_2O_3/YSZ/Si(100))を基体とした。得られた膜は主としてc軸が基体面に垂直に配向したYBa_2Cu_3O_xよりなり、一部a軸配向などの粒が含まれていた。ポ-ルフィギュア測定により膜面内でも結晶配向が確認され、YBCOが基体上にエピタキシャル成長していることがわかった。抵抗ゼロで定義されたTc(R=O)は87Kであった。
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