Tl系酸化物高温超伝導体単結晶の育成及び結晶完全性
Project/Area Number |
03211205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂井 富美子 東京大学, 物性研究所, 助手 (40013502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武居 文彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (60005981)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 単結晶育成 / 包晶反応 / フラックス法 / 電気抵抗の異方性 / 酸化還元滴定 |
Research Abstract |
酸化物高温超伝導体の単結晶育成に関する研究は、これらが発見されると同時に進められてきているが、その成果は決して充分なものとはいえない。育成が困難である理由としては、これらが全て高温分解型化合物であること、酸素欠陥が導入されやすいこと、高温で化学的に活性でいろいろな材料と反応しやすいこと、などが挙げられる。現在までの処、良質で大形の単結晶はLa系およびNd系でFZ法により育成に成功しているが、それ以外のY系、Bi系、Tl系では寸法・品質共にまだ充分とはいえない。 我々は以前よりY系バルク単結晶の大形化と高品質化の研究を続けてきたが、固液共存状態における包晶反応を利用して、ようやくcmサイズに近いバルク単結晶を育成できるようになった。得られた結晶は多面体の、光沢を示す晶癖を持っている。そのような成長表面には微細なstep構造が観察され、オストワルド機構に基づいた溶液成長の進行が示唆される。as‐grown結晶には酸素の不均一な欠損が存在するが、酸素アニ-ルによって内部まで容易に酸化され、超伝導成分が均一化されることが、さまざまな実験から確認されている。これを用いて信頼性の高い磁化率や電気抵抗の異方性、あるいは電気抵抗の磁場依存性のデ-タ-が得られている。一方、Tl系の単結晶もフラックス法により育成実験を進めている。Tl系は毒性の点から慎重な実験が必要であり、現在、充分な準備を行い、実験を続けているところである。酸素及びTl、Cuの価数を含めた分析方法については、酸素は試料を硫酸酸性の過剰のFe(II)塩を加えて溶かし、過剰のFe(II)を酸化還元滴定することにより求め、Tl(I)は塩酸酸性で臭素酸滴定で求め、全TlはTlを還元剤で一価に揃え臭素酸滴定で求めた。Cu(III)は反応したFe(II)から全Tlを差引くことにより求めた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)