固体表面反応を利用した酸化物超伝導薄膜原子層の段階的形成
Project/Area Number |
03211210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川合 真紀 理化学研究所, 表面化学研究室, 主任研究員 (70177640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 理香 東京工業大学, 工業材料研究所, 教員 (50211321)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 分子線エピアキシ-法 / 酸化物超伝導体 / 結晶成長 / 歪格子の緩和 / Bi_2Sr_2CuOx |
Research Abstract |
本研究では、膜形成過程における固体表面上での金属原子の配列構造、電子状態を明らかにしつつ表面層を一層ずつの単位で制御、展開し、新しい表面相を創製することを目指している。本年度は、前年度に引続き分子線エビタキシ-法により低温低圧条件にて合成したBi系2201相に関し、格子整合性のよい酸化物結晶基板状に形成した歪格子の格子緩和、およびBi系2212相の電子状態に関し検討した。 上述の低温MBE法は、清浄化した基板結晶上に、室温で、Bi系超伝導相の構成元素を金属状態で、格子内の順序に従って供給した上で、単位格子毎に酸化結晶化する行程を繰り返すことによって層形成する方法である。このMBE法の利得を明らかにする目的で、結晶化に要する見かけの活性化エネルギ-を求めた。その結果、本低温MBE法で、単位格子毎に結晶化をとることによる結晶化の活性化エネルギ-は50ー60kJ/molとなった。この活性化エネルギ-の値は、Bi系2201、2212相いずれの場合は同程度であった。この値は、バルク試料におけるアモルファス相からの結晶化の活性化エネルギ-400kJ/mol、と比較して1/100程度の著して小さいものとなっている。 結晶化の活性化エネルギ-が小さい低温MBE法では、基板との相互作用が大きく格子歪をもつ薄膜が成長する。チタン酸ストロンチウム(SrTiO_3)上のBi系2201相は超薄膜の状態では、格子歪を有することがこの格子歪には、薄膜の膜厚が増加するに従い緩和される。Bi系2201相の膜厚に対する薄膜の平均格子定数を求めたところ、2201相のc軸長の1/2を単位として4ー5ユニットまでの間で急激な歪緩和が起こり、その後はBi系2201相に固有の格子定数をもつ薄膜が成長していくことが示された。 また、この様にして作製した、Bi系2212相に関して、光吸収スペクトルを観測することにより、その電子状態を考察した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)