水素インタ-カレ-ションと低温水素還元による新しい酸化物超伝導体の合成
Project/Area Number |
03211220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高畠 敏郎 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40171540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浴野 稔一 広島大学, 総合科学部, 助手 (40185103)
藤井 博信 広島大学, 総合科学部, 教授 (30034573)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 水素吸蔵 / 酸化物超伝導体 / インタ-カレ-ション / 水素還元 / 熱重量分析 / プロトン / 超伝導転移温度 / 結晶粒界 |
Research Abstract |
種々の酸化物超伝導体と水素との反応を熱重量分析、ヨウド滴定等によって調べ、さらに水素吸蔵の効果を、格子定数、交流複素帯磁率、電気抵抗、ホ-ル係数等の測定によって研究し、以下の新しい知見を得た。 1.YBa_2Cu_3O_<7-z>:結晶粒子中に化学吸着しているOH基は150℃以上で水素と反応しH_2Oを生成する。その後、水素は結晶中にプロトンとして入り、結晶の斜方晶性を減少させるだけでなく、超伝導を担うホ-ルの濃度を減少させて局所的に超伝導対を壊す。200℃以下でも結晶粒界の酸素は離脱し、粒界での超伝導結合を著しく弱める。230℃以上になると結晶粒中の酸素も離脱を始める。 2.Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+z>:170℃以上の水素雰囲気中では酸素の一部が離脱するものの、H_2Oには成らない。引き続いて水素が吸収されると、超伝導転移温度は90Kまで上昇する。水素はBiO層の近くにインタ-カレ-トされるものと推測された。 3.La_<2-x>Sr_xCuO_4:この系の超伝導ー磁気相図が、水素吸蔵によって系統的にずれるという事実から、水素はホ-ル濃度を減少させる事が確認された。水素吸収に伴って、c軸方向の積層のみが乱れる事は、特定の格子間位置に水素が入る事を示唆した。そこで粉末中性子回折によって、水素位置の同定を試みたが、成功しなかった。 4.Nd_<2-x>Ce_xCuO_<4-z>:230℃から結晶粒界が還元され、粒界は半導体になる。しかしながら、格子定数や超伝導転移温度は殆ど変化しないので、この温度でも結晶粒内への水素吸蔵は僅かしか起こっていないものと結論された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)