核をプロ-ブとした高温超伝導体の超伝導特性に関する微視的研究
Project/Area Number |
03211222
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
二木 治雄 琉球大学, 教養部, 助教授 (80145549)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢ケ崎 克馬 琉球大学, 理学部, 教授 (70045037)
冨吉 昇一 愛媛大学, 工学部, 助教授 (50005922)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 核磁気共鳴(NMR) / 磁場侵入度 / 渦糸 / 反強磁性 |
Research Abstract |
酸化物高温超伝導体の超伝導状態での諸特性を、微視的見地から明らかにするために、YBa_2Cu_3O_<7-δ>(YBCO)に水素をド-プし、その水素核をプロ-ブとしたプロトンNMRを行った。 プロトンNMRは、核四重極相互作用の影響がないので渦糸構造の乱れや反磁性効果による磁場分布等の効果を直接共鳴線形・シフトとして観測出来る。この特長を活かして、フ-リェ変換(FT)NMRでYBa_2Cu_3O_<6.94>Hx(水素濃度x=0.2および0.53)の粉末試料を用いて、共鳴線形の詳細についての研究を温度を変えて行った。その結果、反磁性効果によって、中心周波数に対して、低周波数側にずれた通常観測されるピ-クに加え、高周波側にもピ-クが出現し、低温になるにしたがって、線幅の増大と共にピ-ク間隔も増大し、x=0.2では、70Kで約10Oe、x=0.53では、60Kで約5Oeを示す。この違いは、0.53に比べて、0.2のほうが超伝導性が強く、磁場侵入度の違いが生じるからである。 高磁場側のピ-クは、渦糸内の水素からの信号を示していて、Tc以下60Kまでは、結晶内部で渦糸は三角格子を組んでいないか、また、相当に乱れているのではないかと考えられる。しかしながら、ビッタ-パタ-ン等の測定では、低温で、渦糸は三角格子を組んでいるとの報告もあり、今後、より低温下での測定を行い、より詳細な研究を行う。 超伝導特性を理解するためには、反強磁性相での研究も重要である。そこで我々は、YBa_2Cu_3O_<6.1>H_<0.14>の粉末試料を用いて、反強磁性相の研究も行った。20K以下で線幅の急激な増大が生じ、磁気的な逐次転移が生じている事を確認した。今後、酸素濃度を変化させた実験を行い、この転移を明らかにしていく。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)