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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
セラミックスおよびその複合材料は脆性材料であるため,その耐熱衝撃性が問題となるが,熱衝撃問題に対する定量評価は困難である。特に一般的な水中急冷法では熱境界条件が変化するという大きな問題がある。そこで本研究では熱衝撃実験中の熱境界条件を正しく知ることを試みた。即ち,気体吹き付け法により試料表面の熱伝達係数を一定に保った新しい実験装置システムを構築した。これにより,材料定数の温度依存性を考慮して正確に非定常熱応力を計算できるようにした。試料の加熱には赤外線電気炉を用い,最高加熱温度は約1400℃である。温度の制御はマルチプログラマブル温度コントロ-ラ-によって行う。ガスボンベより供給された窒素ガスを試料周囲の4本のノズルから吹き付けることにより試料を冷却する。なお流量は200リットリ/min以上,ノズル出口での流速は80〜100m/secである。また,真空排気及び真空排気後のアルゴンガス置換が可能である。熱伝連係数hは層流では,h=640W/m^2・K,剥離流ではh=460W/m^2・Kと推定された。 具体的には,ボロシリケ-トガラスでは,ビオ係数β=2.3であり,温度差△T=600Kのとき,σ_<max>=39MPaとなる。この値は材料の破壊強度程度であり,平滑材でも一回の熱衝撃で損傷が生じる。一方アルミナで△T=500Kのとき,熱伝導率k=10.7W/m・K(515℃)に対して,β=0.21,σ_<max>=65MPaである。この値はアルミナの破壊強度σ_f=390MPaよりはるかに小さい。従って,アルミナを用いる場合,熱衝撃疲労試験,もしくは,き裂材を用いて熱応力拡大係数で評価する必要があることがわかった。新しい実験装置による両材料についての実験は現在進行中である。
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