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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
1.ピロリジン‐2,3‐ジカルボン酸の立体異性体を認識する受容体サブタイプ 各サブタイプは基質のグルタミン酸部分の異なったコンホメ-ションを認識するものと考えられる。そこで認識されるコンホメ-ションを調べるために、形の定まったアゴニストである光学活性なピロリジン‐2,3‐ジカルボン酸の4個の立体異性体を合成して活性を調べた。結果はL‐trans体が1:2の比でNMDAとAMPA型選択的、D‐trans体は2:1の比でNMDAとAMPA型選択的、L‐cis、D‐cis体は両方ともNMDA型選択的であった。興奮活性の順は2S,3S体≧NMDA>2R,3R>2R,3S>L‐Glu>2S,3Rであった。 2.カイニン酸の置換基の空間的配置を限定した化合物の設計と合成 カイニン酸のC‐4位の置換基を固定することで、そのπ電子の空間配置を固定し、更にグルタミン酸部分のコンホメ-ションをも制限した化合物1がカイネ-ト型受容体の型と機能を探る上で有効と考えてこれを合成し作用を調べることにした。合成はD‐Serを出発物質とし、トリメチレンメタンの二重結合への付加による5員環の精製を鍵段階とするものである。環化の選択性は3:1:1と非常に良く殆ど望ましい立体配置をもつ化合物のみが得られた。これを常法によりアミノ酸へと導いた。合成品の活性は現在検討中である。 3.カイノイドの立体化学を知る上で便利なNMR上の規則性 今回相当数のカイノイドのNMRデ-タが揃ったので立体化学との関係を検討し、以下の様な規則性を見出した。 (1)2位Hのケミカルシフトは必ず2,3‐cisが2,3‐transより低磁場になる。また4位置換基の1'位がSP^2のときは4.3ppmが境界となる。(試料のpHは3〜7の範囲で測定のこと) (2)4位Hのケミカルシフトは4位置換基の1'位がSP^2のとき、3,4‐cis>3,4‐transとなる。
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