金属と小員環化合物間の相互作用を制御因子とする反応系の研究
Project/Area Number |
03215214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 栄一 東京工業大学, 理学部, 助教授 (00134809)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | カルボメタル化反応 / ab initio分子軌道計算 / 付加環化反応 / 熱転位反応 / 歪み化合物 |
Research Abstract |
研究目的:本研究は化合物の複合的な性質の中から特定の性質を取り出して研究し,さらにこれを反応の高次制御に応用するために,置換シクロプロペノン誘導体に注目し研究を行なった。本年度の研究の結果,(1)有機亜鉛試薬の不斉カルボメタル化反応,(2)カルボメタル化反応の制御因子に関する理論的研究,(3)1,5ー水素移動反応を利用したジビニルケトン類の新規合成法の開発,(4)新しい熱的〔3+2〕付加環化反応による5員環の合成の確立などの成果を得たので報告する. 研究成果:(1)オレフィンの不斉カルボメタル化というこれまでにない不斉合成の手法を光学活性シクロプロペノンアセタ-ルを基質として用いることにより実現できた.オレフィンに対して,リチウム,亜鉛等のアリル金属試薬を付加させることにより,高い立体選択性が発現することがわかった.またアリル亜鉛反応剤におけるダミ-の配位子の利用という新しい考え方を提唱できた.(2)シクロプロペンへの求核反応剤の付加の反応経路をMe,MeLi,およびMeCuをモデルにab initio分子軌道計算を用い検討した結果,有機金属化合物の反応はメタラシクロプロパン性の高い4中心遷移状態をへて進行することが示された.(3)本研究で合成したシス-ジ置換シクロプロパンを熱転位させジビニルケトンアセタ-ルを収率良く得る方法を開発できた.(4)昨年度の検討によってシクロプロペノンアセタ-ルの一般的合成法を確立した,これを利用して合成した置換シクロプロペノンアセタ-ル類の熱的〔3+2〕付加環化反応によるシクロペンテノン誘導体の新規合成法を確立できた.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)