制ガン剤ブレオマイシンおよびネオカルチノスタチンの分子機能解明とそのモデル化
Project/Area Number |
03215217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
斉藤 烈 京都大学, 工学部, 教授 (20026082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 弘 京都大学, 工学部, 助手 (50183843)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 制ガン剤 / DNA切断 / ブレオマイシン / ネオカルチノスタチン / 分子認識 / コンピュ-ク-グラフィクス |
Research Abstract |
合成短鎖DNAを基質として用いる我々の手法を用いて、制がん性抗生物質ブレオマイシン(BLM)及びネオカルチノスタチン(NCS)によるDNA切断の分子機構を解明した。BLM錯体、コバルト錯体はグアニン残基の3'側で2本鎖DNAを切断するが、その認識機構は不明である。我々はマイナ-グル-プにつき出たグアニン2位アミノ基をBLMが水素結合し認識しているという仮説をたて、マイナ-グル-プにあるプリン2位アミノ基を部位特異的に欠除させたり、また逆に付加させた短鎖DNAを設計し、その切断反応を比較した。その結果、両錯体ともアミノ基を欠除したものでは反応が大きく減少し、アミノ基を付加したものでは著しい増大が見られ、先の仮説を強く示唆する結果となり結合モデル構築のために重要な情報が得られた。 NCSについては短鎖DNAの切断結果に基づく相互作用モデルをたて、それについてコンピュ-タ-を用いて、エネルギ-最適化を行ない精密化を行なった。得られたモデルにおいて、水素引き抜きを行なうラジカルとデオキシリボ-ス炭素上の各水素との距離は切断結果を合理的に説明し、このモデルの妥当性を示した。この切断と分子モデリングを併用する独特の手法は、今後の小分子とDNAとの相互作用解析方法としても発展が期待されている。またNCSのDNA引き抜きをひきおこすラジカル発生のメカニズムについても検討を行ない、DNA切断がおこる水溶液中では、先にマイヤ-ズらが見い出した反応とは別のバ-グマン環化が主としておこることを発見した。残念ながらDNA切断においてこの種の反応の関与はないことが我々の手でつきとめられたが、蛋白中で反応経路が顕著にコントロ-ルされる系であり、有機反応としても興味がもたれる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)