Research Abstract |
マイクロ電子ビ-ムを用いた観察手段としては、UHVーSEM(超高真空ー走査電子顕微鏡),μ‐RHEED(μ‐反射高速電子回折),μ‐probeオ-ジェ電子回折等の手段を用いた。これらは現有の装置を用いることによって実現した。 下地半導体として,Si(111)ウエハ-を用い,超高真空中で,ウエハ-を加熱清浄化して7×7表面を出現させた。その後,下地表面全面にIn金属を約1ML(原子層)蒸着後,加熱することにより4×1ーIn表面を得た。この4×1ーIn表面はSi(111)面上のIn金属電気移動の中間層と考えられている。この中間層の上に,直径100μmの穴を有するマスクを被せ,Inを1MLから4ML蒸着し,中間層上に微小In金属薄膜を形成させ,この微小薄膜の電気移動の様子を上に述べたマイクロ電子ビ-ムを用いた観察手段により観察した。これらの観察により以下のような結果を得た。 1 下地Siウエハ-の抵抗値を変えて電気移動の観察を行うことにより,電気移動の駆動力は電流ではなく電界であることが強く示唆された。 2 電気移動を起こす部分を詳細に観察すると,移動部は全体としては移動せず,消滅と生成を繰り返すことによって物質移動が起きていることが分かった。 3 移動部先端に発生するIn‐Islandにおいても同様に,消滅と生成を繰り返すことによって物質移動が起きていることが分かった。 4 上記を説明する電気移動のメカニズムについて考察した。
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