Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
最近,超高真空中で半導体ウエハ-表面上に金属超薄膜の微小な領域を意識的に作り,半導体ウエハ-両端に電圧を加えることによって,この微小金属超薄膜が移動することが見いだされ,半導体表面の金属の電気移動(Electro‐migration)の基礎的研究がにわかに活発になっている。このような現象はマイクロエレクトロニクス技術において見逃すことのできない現象であると同時に,金属/Si超格子多層膜の実現においても見過ごすことのできない現象である。本研究ではSi(111)表面上に形成された微小In金属超薄膜の電気移動の様子をマイクロ電子ビ-ムを用いた観察手段を用いて観察した。 Si(111)4×1‐In表面は,Si(111)表面上のInの電気移動のための中間層と考えられている。あらかじめ4×1‐In表面上にIn超薄膜片(厚さ〜4原子層:ML)を蒸着しておき,下地Siウエハ-に典型的に1.6 A/cm^2,38V/cmの電流・電圧を数十秒から数分間印加した。この後の表面をμ‐probe RHEED,UHVーSEM,μーAED等の手段で調べ,次の様なことが分かった。即ち,(1)下地Siウエハ-の抵抗値を変えて電気移動の観察を行うことにより,電気移動の駆動力は電流ではなく電界であることが強く示唆されたこと,(2)電気移動を起こす部分を詳細に観察すると,移動部は全体としては移動せず,消滅と生成を繰り返すことによって物質移動が起きていること,(3)移動部先端に発生するIn‐Islandにおいても同様に,消滅と生成を繰り返すことによって物質移動が起きていること,(4)上記を説明する電気移動のメカニズムについて考察したことなどである。 また,この研究の後,Si/In/Si(111)超格子膜形成の予備実験を行ったが,確定的な結果は得られていない。
|