Research Abstract |
生まれたばかりのパルサ-の磁気圏の構造の研究を行い,パルサ-磁気圏のグロ-バルな構造をDC回路モデルを導入して解析した。その結果,若いパルサ-(カニ,ベラパルサ-)では99%のエネルギ-が遠心力風として解放され,残り1%が粒子のDC加速によるX線・γ線の放射として放出されることが示された。これは観測をよく説明する。 パルサ-磁気圏中の粒子加速領域の研究を行い,電子・陽電子対生成の効果を含めて,粒子加速領域の電気力学モデルを考察し,加速領域内での粒子増幅率は多くて10程度でなければならないことを明かにした。又,ひとつの加速電圧に対して2つの可能な星風の状態が存在するが,そのうち強いパワ-を持つ星風の方が安定であることを明かにした。 パルサ-の高速自転による効果を研究することを長期目標として念頭に入れ,太陽の数十倍程度の熱風効果と遠心力風効果が同程度に効くような場合の,自転する恒星に於ける恒風星プラズマの研究を行った。恒星がダイポ-ル磁場を持つと考えた時,星風中に高速自転により生成されるヘリカル磁場による非線形効果(磁場圧)により,星風プラズマが軸方向に線状に,又,赤道方向にディスク状に集められることをMHDシミュレ-ション解析により見出した。同時に,この星風プラズマ構造の変化に伴い,質量損失,エネルギ-損失及び回転モ-メント損失が増加することを見出し,これら諸量の天頂角分布を自転角速度を関数として詳細に解析した。星風外圏では終端衝撃波が存在するが,それより外側ではヘリカル磁場による非線形力が更に効果的であることを見出し,太陽圏外圏構造を例として,MHDシミュレ-ションにより,引き継き解析中である。
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