中性子星における温度、回転、磁場の間の相互作用とその進化への影響
Project/Area Number |
03218209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
柴崎 徳明 立教大学, 理学部, 助教授 (50206124)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 中性子星 / 超流体 / クリ-プ運動 / 摩擦不安定性 / 減速指数 / 磁場 / 熱電磁気効果 |
Research Abstract |
中性子星の内部で、インナ-クラスト中の超流体は渦糸のクリ-プ運動を通して常流体とカップルしていると考えられている。クリ-プ運動に伴ない超流体の回転は遅くなり、回転エネルギ-が熱に散逸される。渦糸のクリ-プ運動が中性子星の熱的進化および回転の進化に及ぼす効果を調べた。中性子星の内部温度がある臨界値以下になると、超流体と常流体との相互作用は不安定になり、表面温度がある周期で振動することを見出した。さらにこの振動に伴ない、中性子星回転の減速の仕方を表わす減速指数が、標準的な値である3から大きくずれることも見出した。この不安定性の原因は、渦糸のクリ-プ運動が温度に敏感に依存しているためであることが明らかになった。不安定性により表面温度が相当に上昇するがそのピ-クの期間が短かいので、パルサ-の表面温度の観測からこの不安定性を見つけることは困難と考えられる。しかし、減速指数は相当の期間にわたって3からずれているので、古いパルサ-の減速指数の観測から、この不安定性が見つかると期待される。 中性子星の磁場の起源として、クラストでの熱電磁気効果が指摘されている。クラスト中を内から外に向って熱が流れる際、熱電磁気的不安定が起り、磁場がつくられるというのである。クラスト中の流体の運動をも考慮に入れて、この効果の有効性を調べた。流体の運動が亜音速であるかぎり、この効果でもって磁場は1000ガウス以上にはなれないことを見出した。よって熱電磁気効果は中性子磁場の起源ではないと結論された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)